ふう、一応一通り部屋の片づけが終わった。
あ、この本。
まずい。 返しに行かないと。
二階を下りて、
お姉ちゃん、おはよう。
おはよう、正奈。
ちょっと出かけてくるね。
ああ、いってらっしゃい。
バタン。
とりあえず早く返しに行かないと。
落葉香「正ちゃ~ん」 眞流山「正奈さ~ん」
ん?
ああ、眞流山さんに落葉香、おはよう。
おはようございます♪
お、おお?
どうしたの? そんな驚いた顔をして。
え、えっと。 何でもない。
そう。 で、二人とも何か用?
姿を見かけたので挨拶をしようかと思いまして。
わ、私も。 いっしょにどこか行こうよって誘おうと。
あ、ごめん。 これから図書館に行って本返さないといけないから…
なら私は暇なのでお供してもよろしいですか?
いいですよ。 落葉香も来る?
え? ああ、いや予定があるなら私はもう行くよ。誘いたかっただけだから。
そうですか。 でわ正奈さん、行きましょう♪
え? あ、はい。
ところでどんな本を借りたのですか?
私の好きな作家さんの作品で…
あ、でも知ってるかどうかは…
私も本は読む方なのできっとわかると思います。
じゃあ…、バカ○スという本なんですけど。
・・・。
それと○語などもおもしろいですよね。 文章が多いのに不思議とすらすら読めちゃうところとか…
も、もうすぐ図書館ですよ。 暑いので早く入りましょう。
今日はそこまで暑くないと思いますがわかりました。
いつ来てもここは落ち着かないですね。
私は結構落ち着きますが…
やあ、今日も本を借りに来たのかい?
館長さん。 こんにちは。 今日は返しに来ただけです。
そうかい? オススメした本はどうだった?
バカ○スの方は主人公の行動が面白く思わず笑ってしまいました。
なるほど。 楽しんでもらえて何よりだよ。 また新作が入ったら特別に残しておいてあげるね。
ありがとうございます!
私の正奈さんとあんなに親しく…
その時、扉が大きく開く。
正奈! 大丈夫か!
お、お姉ちゃん!? どうしたの?
お前が眞流山といっしょだと聞いて飛んできたんだよ!
うわ、さらに余計な人が来た。
お前、正奈に変なことしてないよな?してたら痛い目に会うことになるが。
どんなことが変なことになるのか私わかりません。 教えてくれませんか?
そ、それはだな… ここではちょっと。
つまりここでは言えないことをあなたは考えていたと。
ち、違う! お前がそういうことをしそうだと思って…
じゃあ言えますよね♪ 言ってくださいな♪
ぐ、えっと、あの。
どうしたんですか? さあ早く言ってくださいよ。
お、お前! 今日という今日は許さ…
君たちちょっとうるさいから来てもらえるかな? 来なかったら…
解「!?」 眞流山「!?」
返事は!!
二人「「はい」」
全く、いつ見ても…
二人はとっても仲良しで羨ましいなぁ。
あ、もうこんな時間。 そろそろ帰ろう。
帰ったら残ってる本の続きでも…
ん? 落葉香?
これだ! インパクト大!
何独り言を言ってるの?
正ちゃん!? どうしてここに!?
お姉ちゃんと眞流山さんが大きな声出して館長さんに怒られてるから先に帰ろうかなと思って。
なるほど!
それじゃ、また明日ね。
ね、ねえ!
何?
せ、せっかくだし今から少しでもいいからどこか行かない? 一人じゃつまらなくて。
・・・。
いやならいいんだけど。
・・・。
この近くに私のお気に入りのケーキの置いてある喫茶店があるんだけど。
いっしょに行く?
行く!
二人で喫茶店でケーキを食べて帰った正奈であった。
一方その頃、
どうしてこうなった。
私に聞かれても、つっかかってきたのはそっちでしょ。
お前が危険人物でなければ私だって大声出さなかったさ!
私がいつそんなことしました?
じゃあ聞くが、なぜ成長記録というノ―トを持っている?
それは私の…
しかもそのノートに何故か正奈の名前が書いてあったのはどうしてだ?
いつか嫁になる相手のことを調べるのは結婚相手として当然のことじゃないですか。
開き直るな! しかも嫁言うな! そういうところがあるからお前を正奈に…
図書館ではお静かに! 復唱!
二人「「図書館ではお静かに」」