やっと並んでゲットできた。 有名店のチョコレートケーキ。
どこから食べようかな♪
ん? この感覚…
トイレ!
???「ほほう、これはこれは」
10分後、
お茶飲みすぎたかな?
しかし、廊下は寒くて嫌だねぇ。
ん?
け、ケーキがない!?
まさかトイレに行ってる間に食べられたのかな。
とするとアイツか…
・・・。
・・・。
・・・。
やほほーい! 今日も綺麗に事件解決…
死に腐れアホ部長!
うぎゃあ!
な、なんでいきなり切りかかるのさ!(シラハドリ中)
自分の胸に聞いてください。
・・・。
小さくて悪かったな!
あなたはアホですか! てかアホでしたね!
だ、だから何怒ってるのさ。
とぼけないでください! 私のチョコレートケーキを食べたでしょ!
チョコレートケーキ?
私が朝から授業サボって並んで買ったケーキです!
授業出ろよ。
とにかく! ケーキを出しなさい!
いや知らないから。
しらを切るつもりですか!
本気で知らんわ! さっき食べたチョコレートシュークリームでお腹いっぱいなんだから!
部長以外誰がやるんですか!
茄子と後輩は?
・・・。
一番部長がやりそう!
うえぇ~。
助手さんどうしました? 廊下まで怒鳴り声が聞こえてましたよ。
入りづらかった。
部長が私のケーキを食べたの!
知らんつっとるでしょ!
ケーキ?
美味しそうですね。
茄子さん。 今の反応はなんですか。
い、いや、なんでもないですよ~。
まさか。
うう。
ケーキを食べたのは茄子さんですね!
ギクッ!
つ、つい出来心です!
後美味しそうだったので。
何かいい残すことは?
ええっ!?
ここで消す!
ご、ごめんなさい!
まあまあ、怒ってもケーキは帰って来ないんだし。
折角楽しみにしてたんですよ!
じゃあ片づけてから行けばよかったのに。
そ、それは…
自分にも非がなかったか、自分の胸に聞いてみるんだな!
・・・。
微妙で悪かったな!
とりあえずまた並ぶということでさ、今回は多めに見てやれ。
ぐぐっ、は、はい。
今度買ってお返しします。
わかりました。
いいな~! 私も食べたい!
何言ってるんですか。 自分で買ってください。
いいじゃんケチ。
ショートケーキぐらい買えるでしょうが。
ショートケーキ?
あれ? 話によれば助手のはチョコレートケーキじゃなかった?
でも私が食べたのはショートケーキですよ?
食べたのなら勘違いは無いはずですよね。
つまり。
犯人はもう一人いる!?
てか私は完全に冤罪のような。
いや食べてる時点で同罪かと。
そんなことより! 真犯人がいるということがわかったのなら!
探偵部の出番ですね!
いくぜ~! 野郎ども!
二人「「野郎じゃないから」」
空気よめ。
さて、一度状況を整理しよう。
まず助手がここに最初に来た。
その時は誰もいなかった。
その後、トイレに行きました。
多分その後に私が来て食べた。 そして用があり出て行った。
その後に助手先輩が戻ってきた。
これだけ聞くと完全に茄子さんでは?
違いますってば!
確かに茄子が一番怪しい。
でも今回はケーキが変わっていたことが問題だ。
本当にショートケーキでしたか?
それは胸をはって言えます。
二人「「・・・」」
部長「小さくて悪かったな!」 助手「微妙で悪かったな!」
え、いや、そういうつもりで言ったつもりは…
考えるに茄子さんと助手先輩の間に誰かが来たのでは?
なるほど、確かにその状況なら合致するな。
一体誰だろう?
聞き込み開始だ!
え? 部室に誰かきたか?
うーん、見てないな。
てか一緒に財布探してよ~。
この辺で怪しい人を見かけたか?
ちょっと知らないかな。 それだったら先生が注意してるはずだし。
誰がここを通ったか?
特に知らないな。 さっきこの辺で遊んでたら校長に怒られたぐらいしかないな。
ケーキの臭い?
いや、そんな臭いはしなかったな。
それにさっき拾った財布のお金で学食いってきたばっかだし。
み、見つからない。
助手さんがもう自分で食べたのでは?
それだと私は食べたケーキは何?
・・・。
どうしました?
もしかして。
心当たりでも?
真犯人は意外な人物です。
何っ!? そうかのか! よし、真犯人のところへ案内してくれ!
真犯人はあなただ! 校長!
いきなりなんだよ。
自分の胸に聞いてみてください!
ふむ。
特に問題はないと思うが?
部長「小さくて悪かったな!」 助手「微妙で悪かったな!」
ゴメン、マジでなんのこと?
私のチョコレートケーキ、食べましたね。
え、あ、あれお前のか。
遺言はありますか。
お、おちつけ、真相を話すから。
校長「実はさっき、私も行列のお店で買ったチョコレートシュークリームを楽しみにしてた」
仕事しろ校長。
校長「ここに置いて用事を片づけに行って、帰ってきたら」
校長「無くなっていた」
校長「落ち込んで探偵部の部室の前を通ると」
校長「美味しそうなチョコレートケーキがあったから食べた」
校長「しかし生徒のものに手を出してしまったので罪悪感に襲われた私は…」
校長「とりあえずさっきついでに買っておいたショートケーキを置いて仕事に戻った」
そして今に至る。
なるほど、その後に私が来て食べたと。
事件解決! さあ帰ろう!
私のケーキを返せ!
今度買って来るから今回は許してくれ。
話を聞いてて思ったのですが、そもそも校長のシュークリームが無くならなければ起きなかった事件なのでは?
きっともう物忘れが始まってるんだよ。自分で食べたことに気がついてないんだよ。
喧嘩なら買うが?
いえ、なんでもないです。
も、もう終わったなら帰ろう!
もうですか?
ほ、ほら! 事件は校長が犯人で終わり!
いやシュークリームの犯人がまだで。
どうしたんですか? いつもなら熱い展開と言って犯人探しするのに。
ああ。
部長、そういうことですか。
その目はなにかな? 私は犯人なんて知らないよ?
さっきお腹いっぱいって言ってましたよね。
そ、そそそそんなこといってないよ! 別の誰かさ!
ちなみにシュークリームは最後の一個だったんだが…
やたー! 最後の一個とか幸運だわ!
あ。
卯佐木! ちょっと話し合おうか!
ご、ごめんなさい~!
こうして今回の事件は全て解決したのであった。 (財布の件を除く)