Ⅱから数十年後
ふぅ……父さんに勧められて、 勇者に就職しちまった。
……やれやれ、 勇者なんてやりたくねぇ。
でも、これ以外就ける職がない ………そろそろ、 出発しなきゃいけないのか…
やれやれ。父さんから授かった 『エクスキゃりバぁーンッ』は 折ってしまったし。
こりゃゴブリンにヤラレて終わるな
いや、スライムかも……
………死ににいくか
ふぅふぅ……し、死ぬのか俺
げろげ〜ろ
なっ!?モンスター! しかもやけに強い奴!!
げろんっ
ごすっ
ぐぽぉう!! 駄目だ…もう……死ぬ…
「アギラオ!」 ボオウゥ!!
な、何? 何がおこった…?
大丈夫ですか?
あ、ああ。どうも。
って、えぇ!あんた誰!?
私は『煉獄のソーサラー』です。 お怪我はありませんか?
え、ええ。大丈夫です。
この地帯はモンスターが出現します ひとまず、 隣の村にでも向かいましょう。
は、はい
さぁ、着きましたよ。
…ど、どうも。
それにしても、 どうしてあんな所に居たのですか?
………俺、勇者に就職しまして…。 それで、とりあえず 冒険に出ようと思って…
えぇ!?ゆ、勇者様でしたか! こ、これは失礼しました……
え!?
……良かったら、 お供させてください
嘘だろぉうう!!?
かくして二代目勇者は、 ソーサラーを仲間にした。
うわぁ…… 絶対ここなんか出るでしょ……
んん?見慣れない顔だねぇ?
はっ!だ、誰だ!?
失礼だね!
私はこの一帯を縄張りにしてる、 『黒浪のライダー』だよ
乗れないモノはないわ。 ……男もね
………。
(…?俺の感が告げている。 この人を仲間にしろと…)
ああ!大変お美しいです(服が)! ライダーさん!
どうか、この私目を その華麗な乗り裁き(ってなんだ) でお助けください!!
なっ……なんだいいきなり!
思っている事を申し上げただけです お願いします! どうかこの通り!!
……………
しょ、しょうがないねぇ! 私が付いてってやんよ!!
(………おお、征服感がすごいな)
フッ!
ジャキィーンッ!! バシュゥ!
…ふぅ、ゴーレムも 一撃で倒せるようになったぞ…
……ちょっと、そこの殿方
……?どうかなされましたか? (?俺の勇者センサーという名の 下半身が反応しているっ!)
その腕前…… もしや、最近巷で有名な 勇者さまですか?
……いかにも、私が勇者ですが
この私を仲間に入れてください!
(…そちらから来たか、カモめ)
ずっと待っておりました! 貴方のようなお目麗しい (姉が居そうな)方を!!
……えっ…
むしろこちらからお願いしたい! 私たちの仲間になってください
…………私は 『魔物の調教師』です…。 なにとぞ、よろしくお願いします…
(ちょ、調教師! らめぇ!夜の調教されちゃうぅ)
(ま、むしろこちらが 調教してやる側だがなッ!)
うおぉぉ……さぶっ
魔王城周辺まで来たけど…寒ぃ
だいじょうぶですか? …私があっためてあげますっ
ぎゅっ
ああ……手、あったかい…
どう致しまして♪
魔王城の入り口…… いかん、心が汚れて力が出ないよ…
勇者様っ!新しい顔よ!
だきっ ムニ
うわお
抱きつくな!(胸が当たるから) 抱きつくな!(理性が持たんから)
……勇気、出た?
………ああ、勇気もらったよ。 ありがとう。
魔王城通路…… 駄目だ…魔王の居場所がわからん
私が調べてみますねっ!
ああ、頼んだ、夜の調ky …いや、魔物の調教師
うぅ…もう助けてよ 魔王に働かされるのはこりごりだよ
大丈夫、私が助けてあげる。 その代わり、 魔王の居場所を教えて!
……キミが助けてくれるの…? ……あっちだよ
ありがとう。
さすが調教師。 魔物の心は知り尽くしているか…
勇者様の心も、 知り尽くしてますよ☆
らめぇ!魔王戦前なのに 調教されちゃうのぉぉ!!
………ここが、玉座の間…
ふふふっ、よく来たわね。 勇者…
ああ……お前を殺しに来たよ
でぇも、私に勝てるかしらん?
勝てるさ。 俺には仲間が付いている。
ふ、ただの人間ごとにでは 私は倒せないわよ。
くっらいなさァい! パンドラ・ブラスト!!!
グォン…グォングォングォン ビュビュビュッッッ!!!!!
ぐあぁ!!
そんな、馬鹿な… 俺の体力が…既に…ぜ、ろ?
さっさと失せなさいよォw この腐れゴミクズ!!
だ、駄目だ! こんなところで死ねない!
……うっざ、もう イッパツ、イッとく?
…………
もう、死ぬのかな…
頑張れたのか、こんなので。
俺は俺を誇れるのか…?
勇者…勇者…
誰だ、俺を呼ぶのは
息子よ…
…父さん
俺を迎えに来たんだね
違う… お前は立ち上がるんだ…
…母さんは…実は元魔王だ
なっ!?
…黙っていて済まなかった。
でもだ、よく考えてみろ。 お前は勇者と魔王の血を引いている
……お前に出来ない事はないんだ。 諦めないでくれ…。
………わぁってるよ
こんなところで! 俺は終わってられねぇんだよ!!
あ、あら! 生き返ったの!?
俺は……魔王と勇者の血族だ!! 父さんと母さんの子供だ!!
なにより、あいつらの仲間だ!!
父さん、母さん、 あいつらが居てくれる限り、 俺はァ、負けてらんねぇんだ!!!
汚らわしいぃッ! 人と人との絆なんて!!
これで……終わりだぁぁ!!!!
エル・エンド・ザ・ユニバース!!
馬鹿なァ!!? 創世魔法なんて……!!!
クオォォォン…… ヒィィン
あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!
………………
その後、彼は仲間たちと共に、 山奥でひっそりと暮らした。
ああ、木漏れ日が気持ちいいな…
………………………