えへへ♪
どうしたの? 何か良い事あったの?
え~、それはねぇ~。えへへ~
あ~、うん。なんか分かったから良い
え、聞いてよ~
あ~、はいはい。それで?
昨日の夜ね、お兄ちゃんがね~。寝言で私の事呼んでたの♪
……ん? まぁ、うん? 何? どこから突っ込んで欲しいの?
それでね……
あぁ、悪かった。ちゃんと突っ込むからちょっと待ってね
それで、お兄ちゃんが寝言?
うん
それが嬉しいと?
うん!!!
……わかった。そこは前々から思うとこがあるから聞かないでおくわ
でもあんたの家って、未だに兄妹一緒に寝てるの?
ううん。別々だよ?
……うん、分かった。踏み入っちゃいけないことだと分かった
それで朝からご機嫌なわけ?
え~、他にもあってねぇ~
おい
げ、生活指導担当……
いくら私服が認められている学校だからといって、その頭に付けてる物はなんだ
これですか?
そうだ。その耳みたいなものだ
これは、お兄ちゃんと私の絆なんです。
兄妹の……血族の証としてくれたんです。だから、常日頃から付けてないといけないんです
ごめんさい、先生
謝るくらいなら外しなさい
無理です
お兄ちゃんがこれを外していいのは、お風呂の時とプールの時。あとは、盟約が解けた時だけだと言ったので
……うわ、変態さんのかな。お兄さんって
わけの分からない事を言って……
訳が分からないのは先生です。私服が認められててこの猫耳が認めらないのは、猫への差別です!
あ~、もう、いい。今日は多めにみてやるから。今度からは、ちゃんと服装に気をつけなさい
はーい……
……
ちょっと、生活指導にあんな態度とって……
ちっ、お兄ちゃんがくれた服装にケチつけるなんて……あんな奴、あんな奴、あんな奴、あんな奴……
はぁ……
ほら、服装はさ? たまには違うものにしたら、お兄ちゃんもキュンってくるかもよ?
え!? ほんと!!
放課後、一緒に見に行ってあげるから、危険な事考えないでよね?
クラスメイトが退学処分とか、私だってつまんなくなるし
うん、ありがとう!!
でも、この耳は昨日お兄ちゃんがくれた新しいのだから、外さないよ?
はぁ……あんた、本当にお兄ちゃん大好きなんだね?
え? えぇ~、は、恥ずかしいよ……そ、そんな、お兄ちゃんを愛してるんだね、なんて聞かないでよ
……うん、頑張ろう、私
クラスメイトを失わないように、努力しよう
放課後の買い物で結局、お兄ちゃんの好みが分からないから新しい服には挑戦しない妹であった。