ふんっふふん~ふ~ん♪ ふんっふふん~ふ~ん♪
ちょこれいと~は~♪
メイジ!
モリナーガ!
ロッテ!
彼女らはチョコレイト三姉妹! バレンタインのルーツとなった伝説の三姉妹よ!
今では華やかムードの溢れるバレンタインだけど、そのルーツとなった彼女ら姉妹には、聞くも涙語るも涙の悲しい過去があったの・・・!
それは何十年も昔、とある田舎町にその三姉妹は住んでいたの。彼女達は特別美人・・・
というわけでもなく、至って普通の何処にでもいる姉妹だったわ。別にブスだとかそういうわけじゃないわよ?
長女のメイジ。 次女のモリナーガ。 そして三女のロッテリア。
彼女達はとっても仲の良い姉妹で有名だったわ。メイジとモリナーガなんか、あまりに仲が良すぎて互いに自分のヴァージンを捧げてしまうくらい。
ちなみにその時リーゼロッテは街で芝刈りをしていたわ。
そんなどこにでも居そうな三姉妹に、転機が訪れたのは、今日みたいに2月の寒い寒い日のことだった…。
ギブミー男子! ギブミー男子! ギブミー男子! ギブミーだんs
ちょっとちょっとモリナーガ! こんな荒海で何青春ごっこなんかしてるの! あたしも混ぜて!
ああ、愛しのメイジお姉さん! 聞いてください! 私の悩みを!
え? 悩みですの? 生憎ですがワタクシお悩み相談は「この世で嫌いなものランキングのBEST14
私、恋をしてしまったの。
聞くところによると、モリナーガは街で執事飼いの狼少年に一目惚れしてしまったそうなの。
え? 執事? 羊の間違いじゃなくって?
街では今、野生の執事をペットにして飼育するのが流行しているのです、メイジお姉さん。
そ、そんなこと、し、知ってますたわ! ももも、もちろん!
メイジお姉さん! 私、この気持ちをあの少年に伝えたいの!
モリナーガ! ワタクシという者がおりながら、今更普通の女性らしい恋愛を望むというのですか!
ネイサンユルシマセンヨー?
ごめんなさいお姉さん。互いヴァージンを捧げた身でありながら、あなた以外の人間を愛する私をお許しください!
ブスッ
ハウマッチ!
バッシャーン…
はぁ・・・はぁ・・・
モリナーガは、勢い余って隠し持っていた鋭利なスペアメガネでメイジを殺して、海へ沈めてしまいました。
・・・・ごめんなさい、メイジ。
でも安心して。
あなたに捧げた私のヴァージン。
あれは、妹のシャルロッテのものだから。
お願い! 帰らないで! お願いよ!
ええい触るなゼ(ピ----)ッチめ! なにが、
「私という城塞を、あなたのロンギヌスで貫いて」
だ! このアホ! あんたの城塞は既にオープンザドアーでウェルカムカーニバルじゃないか!
ターロッテが自分のヴァージンを喪失していたことに気付いたのは、街で一目惚れした少年を自分の部屋に招いたその日だったわ。
僕はね、ヴァージンにしか興味が無いの! ヴァージン以外の女と関係を持つなんて、まっぴらごめんだよ!
そんな! あたし、ずっとヴァージンのはずなのに・・・! どうして・・・!
・・・! まさか。
ど、どうしたの? い、いきなり真顔になっちゃってさ・・・。
ごめんなさい、あたし、急用を思い出しちゃったの! ちょっと出かけるから、今日はもう帰ってちょうだい!
う、うわ! ちょ、ちょっとまてよ! まだ部屋に着替えと執事が・・・
バタン!
これはきっと、メイジお姉様とモリナーガお姉様の仕業に違いないわ! あの二人を探さなきゃ!
そうと決まったら、さっそくお着替えしなくちゃ!
今、ロッテのお着替えシーンだけど、良い子のみんなには見せられないの!
替わりと言っちゃ何だけど、部屋に取り残された執事飼いの様子から、妄想を膨らませて楽しんでね!
お着替えしゅ~りょ~☆
さぁて、早くお姉様たちを探さなくっちゃ!
アインロッテはモリナーガが「メイデンフィールド」にいることを嗅ぎつけると、すぐにそこへ向かったの。
来たのね、マカロッテ。 今宵のから揚げ弁当は360円よ。
そんなことより、モリナーガお姉様! 私のヴァージン、返して!
返してやりたいのは私も同じ気持ちよ、トレヴァロッテ。
でも残念だけど、あなたのヴァージンはメイジと一緒に海のモズクと化したわ。
そ、そんなぁ!
ごめんなさいワイルロッテ。私がヴァージンを捧げるのは、メイジお姉さんではなく、1人の少年なの。
あなたを巻き込んだこと、海よりも深く反省しているわ。瀬戸内海ぐらい。
モリナーガの弁解も、すでに毒舌とオカマの織り成す怒り新党状態のエステロッテの耳には入らなかったわ。
私のヴァージンを奪った罪、償ってもらうわよ!
ふ、面白い。実は言っていなかったが、私の知り合いにオータというフェンシングのたつz
二人の勝負は三日三晩に渡って繰り広げられたそうよ。そして運命の二日目・・・!
どうだい、気持ちのいいところだろう?
この景色、キミと僕だけの物だとしたら・・・・どうだい?
あはは! そんなに喜んでくれるとは、僕も頑張った甲斐があったよ!
え? ああちょっとね、執事飼いの他にも、内職を2,3つほど増やしたんだ。
キミと、早くこの景色を見たかったからね・・・!
こらこら! そんな急に抱きつかれたら・・・! あはは、くすぐったいじゃないか!
バサッ
・・・・愛しているよ、
メアリー・ジェーン。
ぺぷし飲みてぇ。
こうして執事飼いの狼少年と、万年地蔵のメアリー・ジェーンは末永く幸せに暮らしました。
ちなみにその後のチョコレイト三姉妹についての記録は一切残っていないわ。
ただ、彼女たちは2月14日に各々がチョコレイトを自作し、姉妹同士でプレゼントしあっていたの。
三姉妹とも悲惨な最期を迎えてしまったけれど、心の底から、愛し合っていたことがよく分かるエピソードね。
そして、それが知らず知らずの内に受け継がれて、今のバレンタインにまで発展したってわけ!
と、いうわけで、私の作ったチョコレートを受け取って楓ちゃん!
渚、バインタインは一昨日なのだ。
アンビリーバブル!
~終劇~