はー、ここが俗に言うカラオケBOXってやつだね、楓ちゃん。
俗に言うって、渚は何十年前からタイムスリップしてきたのだ?
いやー、実はあたしカラオケって初めてだから・・・・
ほほぅ。では、今日はカラオケの魅力を存分に感じる絶好の機会ということなのだ。
ううぅ、いくら楓ちゃんとはいえ、人前で歌うのはちょっと~・・・・。
大丈夫なのだ渚。たとえ『ボエ~』とかが似合ってても絶対口にはしないで上げるのだ。
楓ちゃん、それってフォローになってるの?
さて、それではカラオケ童貞・・・・じゃない、カラオケ処女の渚のために、私が先に歌うのだ。
あれ? 楓ちゃん、確か曲はこの機会で入力するんじゃ・・・・
ピピピピ
~♪
うわ! 勝手に始まった!?
自分の十八番の曲番ぐらい、そらで入力は当たり前なのだ。
さ、さすが楓ちゃん・・・・。
~楓、熱唱中~
・・・・ふぅ~。
楓ちゃん歌上手だったんだね!
吹奏楽部時代に歌も練習させられたのだ。これくらい朝飯前なのだ~。
なるほどね~。
っていうか、楓ちゃんが今歌ったのって、だいぶ昔のアニメのだよね?
そうなのだ。この曲は私の尊敬する作曲家、三●晃先生の手がけた曲なのだ。
アニメのオープニングとは思えないこの完成度の高さ、流石は三●先生なのだ!
ぜひ一度、モノホンの方も聞いてみて欲しいのだ!
さあ、次は渚の番なのだ。曲はもう決まったかなのだ。
そ、それが・・・・。
むぅ、どうしたのだ。まだ決めてなかったのかなのだ?
いやさ、歌おうと思ってた曲がどうやら登録されてないみたいで・・・・。
ちなみに、なんて曲なのだ?
『ファイアーエ●ブレムのテーマ』
・・・・仮にあったとしても、渚の未知の歌唱力がついていけるか心配なのだ。
う~ん。それじゃあ・・・・
ピッピッ
よし、これにしよう!
決まったみたいだな。
~~♪ ~~♪
ううう~、緊張するよ~。
安心するのだ! 私のタンバリンテクニックで緊張を揉み解してあげるのだ!
さぁ、すべてを解き放つのだ、渚!
う、うん!
~渚、熱唱中~
・・・・ふぅ~。
渚、カラオケ初めての割には上手だったのだ!
そ、そうかなぁ~。 途中声とか震えまくってて、音程もズレズレだったし・・・・。
そんなもの、これから場数を踏んで行けば勝手に身体が覚えるのだ。気にする必要ないのだ。
あ、あと自分の声が響いててすっごい恥ずかしかった!
あたしって、あんな声だったんだって気付かされて、しかもそれが大音量で響いてて・・・・。
うわー! 意識したら余計恥ずかしくなってきちゃったよー!
(これがカラオケ処女か・・・・ふふふ、初々しいのう♪)
それと、渚の歌った曲も随分と昔のアニメのオープニング曲なのだ。人のこと言えないのだ。
いやぁ~、最近リメイク版見ちゃって、それで嵌っちゃって!
『Re:キューティー●ニー』だな。
OP歌ったあの人のあの発言のせいで、闇に葬られ気味だけどね。
~~♪
次は私の番なのだ。
ええ!? ずっとタンバリン叩いてたのにいつの間に曲入力を!?
ふふふ、言ったばかりであろう渚。十八番の曲番くらい、そらで入力できて当たり前田のクラッカーなのだ。
~楓、熱唱中~
ほいっしゃぁ~!
すごーい! 楓ちゃんオペラ歌手みたい!
ふふふ、そんなに褒めても何もでないのだ♪
じゃあ、次はあたしの番だね、ええ~っと・・・・
ちょっと、飲み物とってくるのだ。渚は何がいいのだ?
ん~、来た時と一緒で、ウーロン茶で!
了解なのだ~。
あれ? 楓ちゃんが戻ってくるまであたしはどうしてればいいn
~~♪
などと言ってる間に曲が始まってしまった!
~~♪
どうしよう、こういう時って一人だけでも歌ってたほうがいいのかな?
いやでも、歌わなかったからって罰金とかがあるわけでもなし・・・・。
~~♪ ~~♪
考えててもしょうがない。とりあえず歌おう!
~渚、熱唱中~
・・・・ふぅ~。
それにしても楓ちゃん遅いな・・・・
って、何覗いてるのさ楓ちゃん!?
いやなに、渚のノリノリっぷりをちょっと観察しようと思っただけなのだ♪
え!? ってことはもしかして。
可愛らしい振り付けだったのだ。特に年甲斐もなくジャンプするあたr
にゃー!!!!!!
1時間後・・・・
プルルルル♪ プルルルル♪
はい。あーはい、ちょっと待ってください。
渚、1時間経ったのだ。
げっつげっつか~す~いも~くきんっ
・・・・え、もう1時間!?
いや、10分前のアナウンスなのだ。
どうする? 追加料金だが延長も出来るのだ。
あっ本当!?
じゃあ、
(っていや待て! 流石にもう持ちネタがないじゃなのよ渚ちゃん!)
(最後の切札『軍歌』まで歌い尽くしちゃったのに、どうすんのよ!)
う~ん、延長はいいや。
わかったのだ。
すいません、延長は無しで。はい。
とはいっても、10分か・・・・。
最後に、何かデュエットでも歌おうなのだ。
デュエット・・・・1時間前までカラオケ処女のあたしには、荷が重過ぎるんじゃないでしょうか楓様?
ふうむ、それもそうなのだ。ならば・・・・
ピッ ピッ ピッ
~~♪
え? いきなり洋楽!? 楓ちゃん洋楽なんて歌えたっけ!?
あれ? 楓ちゃん。なんで照明暗くしちゃうの? それと心なしか音量大きくなってないかな?
渚・・・・。
はひ?
大丈夫、私に任せておけばいいのだ。
ええ!? か、楓ちゃんな、なにをすrにゅ・・・・!!!
カラオケBOXの、本当の楽しみ方。
これから、渚に、たっぷりと教えてあげるのだ♪
渚 楓ちゃん!? かえ・・・・んふぅ!?
~襲撃~