そういえば楓ちゃん。
どうしたのだ、渚。藪から川尻に。
古っ! っていうか楓ちゃん野球興味なかったんじゃ・・・・?
何故かこの二人だけは知ってるのだ。暗黒タイガースを支えた投手という程度だが・・・・。
おおう、意外や意外・・・・
で、どうしたのだ渚。渚のためなら私はできるかぎりのことをしてあげるのだ。
あっそうだ!
楓ちゃんってさ。
私か? 私がどうかしたのかなのだ。
笑う時に目を細くしないよね?
・・・・・・。
・・・・はえ?
いやだからさ・・・・。
普通、人って笑うと、
・・・・とか、
・・・・とか、
こんな風に目が細くなるじゃん?
・・・・で? 私にどうしろというのだ?
不肖渚! 楓ちゃんの細目を見てみたいと思うわけでありますです!
何を言い出すかと思えば、そんなことなのかなのだ・・・・。
私の笑顔なんて、飽きるほど見てると思うのだが?
でもぉ、楓ちゃん笑う時でも細目にならないじゃん?
あたしはね、楓ちゃんの笑った時の細目がみたいの!
さぁ、楓ちゃん!
まだ誰にも見せていない顔をさらけ出して、あたしだけに!
まぁ、できないこともないのだ?
見せてくれるの!?
いっ言っておくが今回だけだぞ!? 渚がどうしてもって言うから、なのだぞ!?
えへへへ♪ ありがとう楓ちゃん!
そっそれと! あんまり可笑しくて笑ったりしたら、承知しないのだ!
大丈夫だよ♪ どんな顔でも楓ちゃんは楓ちゃん。
つまり、かわいいってことだもん。笑ったりなんかしないよ☆彡
・・・・・・。
・・・・照れるのだ。
楓ちゃん顔真っ赤ー!
こ、こら! 急に抱きつくななのだ!
みやこ の こ~の子 元気の子♪
そ、それじゃあ笑ってみるのだ。
お願いしまーす!!!
ええっと・・・・
にやっ
ど、どうなのだ、渚?
ど、どうなのだ? やっぱり可笑しいのか?
パクパクパク・・・・
どうしたのだ? どうして逃げるのだ?
ひぃぃ!!
バタン!
な、渚!? どうしたのだ!? 何があったのだ!?
アワワ・・・・アワワ・・・・
エイドリアン! エイドリアン!
緊急事態なのだ! エマージェンシーなのだ!
夢の中で、渚は思った。
『慣れないことは、させちゃいけないんだね、楓ちゃん』
・・・・と。
~終劇~