ソアラ 小学1年生。
ソアラちゃんって、本当可愛いよね。
髪キレイだし、お人形さんみたい。
ソアラは自分の可愛さに気づいていた。
性別関係なしに人気があり、ソアラは調子に乗っていた。
(ソアラが可愛いから、皆優しいんだ)
ある日、1年生になって初めての遠足があった。
じゃあ、お隣同士手をつないでね。
お隣…。
キミ、手つないであげてもいいわよ。
いいなぁ~ ソアラちゃんと手つなげるなんて羨ましいなぁ~
ソアラは当然、その男子も喜んで手をつなぐと思っていた。
いやだ。
何で? ソアラと手つなげるのよ?
いやだ。
ソアラちゃん、カナエくん、手繋がなきゃダメよ?
だって、こいつの手汚いもん!
俺、余ってる男子と手つなぐ!
な、何なのよ、アイツ…。
ソアラ 小学5年生。
カナエくんって、カッコ良くなったよね~。
ソアラちゃんとカナエくんって、美男美女で相性ピッタリだと思うな。
カナエくんと釣り合うのって、ソアラちゃんぐらいじゃないかな?
そっ、そうかな??
コロコロ…、とボールが転がってきた。
はい、ボール。
あの…、カナエく…
シュ~~~ッ!!
カナエは、ソアラから受け取ったボールに除菌スプレーを振りかける。
えっ??!
ふぅ…、除菌完了…。
ひどいっ、アイツ完全にソアラちゃんのこと汚い物扱いしてたよね!?
何なの、アイツ…。ムカつく…、ムカつく…ッ!
ソアラ 高校3年生。
相変わらず誰もが羨むルックスで、男子からも女子からも一目置かれる存在を保っているソアラ。
自分がほんの少し甘えれば、周りは何だって言う事を聞いてくれる。それが爽快で楽しかったのだ。
ただ一人を除いて…。
ガラガラガラ。
あっ。
保健室でばったりとカナエに遭遇する。小学校から変わらずカッコいい男。顔はいいのだが・・・。
シュ~~~ッッ!! シュッシュッ!!
消臭スプレーと除菌スプレーを同時に吹きかけるカナエ。
げほっ! げほっ!
危ない危ない、危うく女子に接触しそうになったよ。
何でそんなに女子と接触するのが嫌なのよ!
そんなのわかりきったことじゃないか。女は、穢れ(けがれ)を持っているからだよ。
それは汚れだったり、毒だったり。小さい頃からそう教えられてきて、今じゃ女子に触れられると未知なる病原体が身体を蝕む。
・・・アンタさえいなければ。アンタを除けば、完璧な人生なのよ!
放課後。
遅くなってしまった。
…まだ、いたんだ。
話したいことが…、あるの。
やっぱり、女の子は苦手?
苦手ではない。女子の存在そのものが病原菌であるから、俺は拒絶する。
ふーん。まっ、アンタが女の子を毛嫌いしようが、私にはもうどうだっていいんだけどね。
どういう意味だ?
おい…、バカッ、やめろ…! それ以上近づくな…!
私は、私の気持ちに正直になる。
スプレー…! くそっ、なんてこった、よりによって、こんな時に空だなんて…!
ギュッ。
ひぃっ…?!
小学校の頃から、カナエのこと、好きだったよ。
僕は好きじゃない! 離せッ! 鳥肌が…ッ!?
好きじゃなくていいよ。どうせそんな台詞が返ってくるだろうと思ってたから。
脈が速い…っ、お前…、俺の身体に毒を…っ!
今はソアラの好きにさせてくれないかな? これはソアラが勝手にやってることなんだよ。
チュッ♡
ゲホッ! ゴホッ! ドサ…ッ。
見ろ…、発熱してきた…、顔が火照ってきて、息が上がってきて、心臓も…苦しい…。
お前、…俺を病気で殺す気だな!?
そう。ソアラは、カナエを病気で殺す。
だから…、女は嫌いなんだ…。
『私自身』で・・、殺してあげる♡
うあ…っ、何か…、き、気持ち悪い…ッ!
私は…、気持ち…、イイ…ッ!
何か…、吸いだされる…ッ?!
それがカナエの生命力。それを吸って吸って吸いまくって、殺してあげる。
や…、やめろ…ッ!
全部奪い取ってあげる。
あぁ…っ、…生命が…出そ…う…っ!
いっ…、いっぱい出してッ♡
うわああああっ!!!
あ…ッ、出てる…、カナエの生命力が…♡
ハァ…、ハァ…。俺は…、もうじき死ぬのか……?
1回ヤッたぐらいで、死ぬわけないじゃん。
だって、現に…、まぶたが重く…なって…。
もしかして、童貞?w あ、そっか、女嫌いだもんね。性の知識もなけりゃ、自慰の経験すらないか。
……スゥ・・・、zzz・・・。
初体験に疲れちゃったか。かわいいなぁ♡
ギュッ。
ソアラが…、カナエの女嫌いを治してあげるね。