よぅ、久しぶり。 大切な話があるって聞いたんだけど・・・。
・・・あなたと、別れたいの。
・・・
・・・
突然切り出された、男女の別れ話。
男は落ち着こうと、店員を呼ぶ。
ご注文お伺いします。
コーヒー入れてくれる?
かしこまりました。 ・・・そちらの方のご注文は?
・・・
あー・・・、彼女のほうも俺と同じやつで。
かしこまりました。
店員さんは、店の奥へと去っていった。
・・・冗談だよな?
・・・冗談で、いちいち呼び出したりなんかする?
・・・
>CHANGE
・・・俺の何がいけなかったんだ? 原因を教えてくれ!
・・・あなたって、ホントにそうゆうところ鈍いのね。
なんだよそれ!全然わかんねーじゃん!
お待たせしました。ホットコーヒー2つになります。
そうこうしているうちに、店員が熱々のコーヒーをテーブルに持ってきた。
・・・頼んでないんだけど。
し、しかし・・・さきほど確かにお客様からご注文を頂いたのですが・・・。
あーーーっ!今それどころじゃないって言ってんの! 空気読めねーな、お前!?
誰がこんな状況でのんきにコーヒーなんかすすってられるかってんだ! しかも、俺は猫舌なんだぞ!!
いいじゃない。どうせ、これが私たちの最後のデートになるんだから・・・。
>>CHANGE
いただくわ、コーヒー。
平静を装う彼女とは対照的に、男の方は至極うろたえていた。
(・・・俺の、どこがいけなかったんだ?)
んじゃ、私からあなたへの最後のわがままね。
この店で一番人気ってゆう、最高級ロイヤルストレートパフェが食べたいなぁ♥
あ、あの、この店で一番値段が高いやつかぁ・・・?
くそっ、なんで俺がこんな目に・・・。
カランコロン。
新しく客が入ってきた。
いらっしゃいませ、おひとり様ですか?
いや、ここで人と待ち合わせしてるんですけど・・・。
イケダくんっ!
あっ、ヨーコさん!
お、おいっ!あいつ誰だよ!
今度の新しい彼氏、って言っておこうかしら?
・・・なっ!?
・・・お知り合いの方でしたか。 それでは、相席でもよろしいですか?
うん、全然かまわないよ。
俺が構うっつーの!! てか、誰なんだよてめぇは!?
>>>CHANGE
・・・君だって誰なんだい? 気安くボクのフェアリーに触れないでくれないかな?
隣に座るんじゃねーよ!ボケ!
紹介するね。 彼はイケダくんっていって、あの名門大学に通ってるんだって。
しかも、ご実家が資産家で、明るい将来が約束されているの! 素敵でしょ?
あはは、たいしたことはないさ~。
はっ、お前が言いたいことはわかったぜ。
要は学歴なんだろ!金なんだろ!? 男なんてものはみんななぁ!?
はいはい、俺なんか所詮高卒程度のクソ野郎ですとも!ごめんなさいね!
・・・高卒でも、立派なものだと思いますよ。
ムッキー!!腹立つーーー!!
・・・言い訳じゃないけど、彼を選んだ理由は、何も学歴や家柄だけじゃないのよ。
・・・なんだよ?
顔よ。
ガビーン!!
(うわぁ・・・ストレートすぎる)
「お届けものでーす」
はいはい、いつもご苦労さまです。
「えーっと、ブラジルコーヒー豆30キロ分ですね」
「んじゃ、ここに置いときますね」
ご苦労さまでした~。
さぁて、私も仕事しないと・・・。
にしても、こんな修羅場が覗けるだなんて、ここでバイト続けててよかったわぁ~!
>>>>CHANGE
と、いうわけで私たち、もう行くから。
君の分まで、ヨーコさんを幸せにするから安心してて。
今までありがとう。 そして、サヨウナラ。
カランコロン
ありがとうございました~。
・・・・・・・
・・・・・・・
・・・とりあえず、整形するか。
私たちには「変革(CHANGE)」が必要だ。
それは、時に人生を180度ひっくり返してくれる。
それがいい方へと転がるか、悪い方に転がるかは誰も知らない。
単調で、ロマンのかけらもなかったこれまでの人生に十字架を立てよう。
変わることに、恐れを抱くことなどない。
常に新しい自分でいることこそが、何より人生のスパイスなのだ。
踏み出せ、若者たちよ!