もう逃げられんぞ!
いやっ、誰か助けて!
誰も助けになんか来ないさ。 こんな秘境にわざわざ赴く奴なんぞいるはずがないからなあ!
今から俺がお前をたっぷり可愛がってなる…
お前のゴミ箱に俺の電柱をつっこんでかき回してやるわ!
いやあ!プラスチックが削れちゃうう!
どんなに削れようと容赦しねえ。 知ったこっちゃない!
さあ、おとなしくしていろ!
いやっ…いやあ! 誰か助けて!
待て!
っ! だ、誰だ!?
そのゴミ箱から離れるんだ!
けっ そう言われて離れるバカがどこにいるかよ!
従ったほうがいいぞ… さもないとこの犬のリードを離す!
うっ…
はあっ… あ、ありがとうございました!
いや、良いんだ。 それよりも早く逃げなさい。きっと両親が心配しているだろう。
は、はいっ!
ま、待て!
無駄だ、電信柱! 彼女に手を出すなら俺が相手になるぞ!
ふん、ガキに何ができるってんだ! 電信柱の頂点にすら建つ俺に勝てると思ってんのか!?
どうやら話すだけ無駄なようだな… よろしい、ならば一人のゴミ箱のため、俺はお前の障壁になろう!
さあ行け、ペロ!
ぐうっ… く、来るなあ!
わんわん!
そのまま地獄まで逃げるんだな!
ハッ
い、今のは一体… 夢だったのだろうか
マサシー ゴミだしお願いねー
あ、ああ母さん
はあ…全く母さんも酷だな。 朝練に行くついでにゴミを出して来いだなんて。
いやっ、助けて!
ん?
こんな朝じゃあ誰も助けに来ないぜ。 さあおとなしくしろ!
いや、いやあっ!
…
あー…
ゴミだし場はあっちだったかなー