お姉様!
君は、落葉香さん。
どうしても転校してしまうんですね。
仕方ないさ、でもここで体験した出来事は一生忘れないわ。
・・・。
それじゃ、またどこかで…
あの!
ん? なんだい?
実は… 前から言おういおうとしてたことがあったんです!
その、私、お姉様のこと…
お姉様のことがずっと… す、す。
す?
す、す!
スルメいか!
どうしてそうなった!
カットデス! これで36回目デスよ!
落葉香の台詞で最後なのに。
だって、なんか恥ずかしいんだもん!
こうなったら役を変えてみるのはどうでしょう?
名案!
お姉様役は誰がやるの?
というより何で私がお姉様役なんだよ!
今さらですか。 まぁぶっちゃけて言うと、雰囲気がそうかなと。
女性からモテやすいと?
ち、違うのデスか?
当たり前だ! ラブレター何ぞ中学の頃に5回くらいしかなかったぞ!
二人「5回もあったの!?」
あ、いや、その。 い、今のは言葉のアヤというもので…
小学校の頃は、3回くらいあったよね。
あれは男子とよく一緒に遊んでたから間違えられただけで…!
二人「適役だね」
ふざけるな! 私だって可愛い役がやりたいさ!
そうですか。
あ、あの、えと。
じゃあ試しに変えてやってみるデス。 お姉様役を正奈さん。
告白役を眞流山さんにお願いするデス。
喜んで!
でわ! 新しいキャストでスタート!
はぁ、はぁ。 お姉様!
ん? ああ、眞流山さん。
結婚してください!!
えっ!?
カ~~~ット!
それは告白じゃなくてプロポーズデス!
すいません、つい本音が…
本音だと?
せ、台詞を忘れたのでアドリブをきかせました。
余計デス! キャスト変更!
お姉様役を眞流山さん。
告白役を解羅さんでやるデス!
なっ!? 何故!?
つべこべ言わずにやるデス! 監督命令!
うぐっ! わ、わかりました。
お姉様!
なんだい? 解羅?
ど、どどど。
そんなんじゃ解らないよ。 ちゃんと言ってごらん。
ど! ドメスティック野郎!
ひどいいいがかりです! 私はちゃんと可愛がりますよ!
カ~~~ット!!
どこにそんな台詞がありましたか! 主人公とヒロインの関係が怖いデスよ!
眞流山がにやにやしてるのが悪い!
(にやにや)
くぅ~! 今から倒す!
やれるものならどーぞ。
この二人はもうドラマから外します。
二人「がーん」
というわけで、お姉様役を落葉香さん、告白役を…
立候補します!
どっ!? どうして阿加井さんがここに!?
影から見守っていたんだよ。
ストーカー!
そうですね、試しにやってみるデス。
ええ!?
お姉様!
ん? ああ、阿加井さん。
どうしても、どうしても転校してしまうのですね。
そ、そうだね。 君とはもう会えなくなるね。 でもここで体験した出来事は忘れないよ。
あの! 私前から言おうとしてた事があったんです!
なんだい?
実は…、 お姉様のこと。
お姉様のことが好きだったんです!
ええ!?
もう自分に嘘をつくことはできません!
だから私もついていきます!
ごめん。 それは駄目だ。
何故!?
今の私に君を守ってあげられるほどの力はない。
・・・。
気持ちはとても嬉しいよ。
もし、もう一度会うことがあれば…
あれば?
その時は、私と人生を歩んで欲しい。
!?
喜んで!
カ~~~ット!!!
素晴らしい! これが撮りたかったんデス! 最高デス!
今私、ものすごくドキドキしてる。
いいお話でしたね!
見てるこっちが告白されてる感じだったぞ。
ふう、終わった。
続きは~? チューは~?
するわけないでしょ!
いや読者から要望があればあるデスよ。
そしたら役を降ります!
その時は私と正奈さんでぜひ!
か、考えとくデス。
次の日。
女子学生D「落葉香お姉様! サインください!」
女子学生E「私も!」
誰がお姉様じゃコラ!
ドラマ「橋の上での告白」は大盛況で落葉香はサインを求めに来る者たちへの対応に追われるのであった。