きゃーー! 怪獣が現れたわー!
街がどんどん壊されていく…ッ。
くそぅ! こんな時に魔法少女さえいてくれれば!
おらぁッ! おらぁッ!
…なんの、声だ?
ガスッ! ガスッ!
痛いッ! 痛いよォ…ッ!
見ると、少年が可愛らしい少女の腹を蹴っているではないか!
早く! 気絶しろッ!!
うぐっ…ッ! ぐゥッ!?
何やっているんだ、お前…。
怪獣が街に現れて大変なこの時に、幼女に手を出すとは…、とんだクソ野郎だな…。
止めないでください。これも世界平和の為なんです。
幼女の腹を蹴ることに、世界平和など関係あるものかッ!
わかってないですね、おじさん。
…なにィ?
この子は、実は魔法少女なんです。
何を寝ぼけたことを…。
この娘はね…、殴る蹴るされることで内なる魔力が高まり、変身するドM魔法少女なんですよ!
だから(おらァッ!)、こうやって(うりゃァッ!)、変身のお手伝いをォ(とォッ!)、してる訳ですよ。
グヒュッ! くはぁ…ッ!
少女は腹を蹴られる度、何度も何度も吐血する。
やめろ! そんなでたらめな魔法少女がいる訳ない! 警察呼ぶぞッ!
今、警察は怪獣退治で全員出動中でしょう。呼んでも誰も来やしませんよ?
そ…、そんなぁ…ッ!
あの怪獣を倒せるのは、この娘しかしない。
だから、おじさん。僕を信じて、この娘が変身するのを手伝って下さい!
俺に幼女の腹は蹴れんッ!
ん…ッ、いい…ん…、ですよ…。おじさん…。
私…、痛…いの…、大、好き…ですか…ら。
だんだん…、血で…傷口がニュルニュルするから…、…気持ちよく…なって…、
何かこの娘エロいよぉ!!
くッ…! いつもより変身までの時間が長すぎるッ!
おじさんは、俺の代わりに腹を思い切り蹴ってくれ!
お前はどうするんだ…?
俺は…、これで…ッ!
少年が取り出したのは、包丁だった。
これで絶対領域を切り刻むッ!
ザクッ!
少女「っぁあ゛あ゛゛あああ゛ぁッッ!!?」
少女の悲鳴に近い嬌声が響き渡る。
この鬼畜ッ! ロリに何てことをッ!
やるしかないんだ! オッサンも腹じゃなくて頭部を蹴ってくれ!
このままじゃ、怪獣に街をめちゃくちゃにされる!
このままじゃ、この鬼畜に少女がめちゃくちゃにされる!
ふんぬッ!
ぐあァッ!
おっさん! 誰が俺を殴れと言った!? 俺はこの少女を蹴れと言っ…ッ
バギィッ! ドゴッ! ぐしゃッ!
ぐあァッ!
何が殴れば殴るほど魔力が高まって魔法少女に変身するだァ?
漫画の見すぎだ! 怪獣はお前のことをいうんだよ! 俺が正義のヒーローになり代わって成敗してやるッ!
ドカッ! ドカッ!
や…、やめ…ッ、
オッサンは容赦なく、少年の腹を蹴る。
こ…、これ以上…したら、…俺…、俺…ッ!
確かさっき、頭部を蹴れとか言ってたなァ…。
そ…、それは彼女の方で…、
おっさんの渾身の一蹴りが、少年の頭部に直撃する。
ア゛ッ♂
痛気持ち良くて…、イ゛っぢゃう゛う゛うううううううぅぅッッ!!!
血まみれなのにアヘ顔の少年を、まぶしい光が包み込む。
な…、なんだぁ?!
ドォォォォン……!
ふふふ…、よく私を目覚めさせてくれた、人間。
私は、仮面ライダーMAZO(マーゾ)!
私こそが、痛みを快感へ、快感を己の膂力へと変える事ができる、正義のヒーローだ!
……。
ありがとう、人間! それでは、怪獣をやっつけてくるとしよう!
シュバッ!
あいつが、正義のヒーローだったのか…。
じゃあ、キミは…?
私はただのドMさんです。
どんなに痛みで快感を覚えようが、魔法少女には変身はしません。
あ、代わりにドM変態淫乱女には変身しますよ?
……はッ?
とりあえず、彼の代わりに私の粗末なお尻を蹴ってくれませんか?