ドンッ！！
痛ったいわねぇ、どこ見て歩いてんのよ！
ご、ごめんなさいっ！
あなた…？
はい？
男の子よね？
あーん、また男の子って言われたぁー。
えっ？ もしかしてアナタ…。
はい。私、女の子ですよ？
そうよね！ だって訳のわからないミニハット被ってるもの！
よくずり落ちないわね！
帽子の裏に小さなクリップがついてて、それで留めてるんですよ。
桁下の低いトンネル通って、引っかかって「あうっ！」ってなればいいのに！
っていうか、本当に女の子？
女の子ですよぅ。
最近美容室行って、ショートカットにしたんです！
あら、そうなの？ 確かに髪型だけで男子と判断するのは早計よねぇ。
じゃあ、試しに女の子らしい事言ってみなさいよ？
女の子らしいこと…ねぇ？
あっ、大丈夫です。自分でできますから。
……。
や、やっぱり手伝ってもらっていいですか？
（うるんっ）
キュン
ど、どうでしょうか？
いいっ、いいわ！ アナタ！
お姉ちゃんの妹にならない？
嫌です！
ハッキリ言える女の子って素敵！
