あれから二ヶ月……。
勇者が最果ての村に着いてから 二ヶ月という月日が経っていた。
その間に…世界は滅ぼされ、 魔王に支配されてしまった。
もう俺勇者には どうする事も出来ない……。
だが……まだ終わっていない。
勇者 「俺達の冒険はこれからだっ!!」
~自称勇者の冒険・完~
………
……
…
勇者 「俺達の冒険はこれからだっ!!」
魔法使い 「……何勝手に終わらせようとしているの?」
勇者 「いや…ちょっと魔王城に乗り込みたくないなぁ…と思いまして」
魔法使い 「アンタ…いつまでそうしてるつもりよ!もう2ヶ月よ!2ヶ月も門の前でじっとしてるとか……」
魔法使い 「早く終わらせないと、 今年が終わっちゃうでしょう!?」
勇者 「いや、まあ……。 それはそうなんだけども……」
魔法使い 「ああ、もう!! アンタが魔王城の門を開けないなら 私が開けるしかないわ!!」
ガチャッ。
勇者 「あ~…やっぱり行きたくないなぁ~……」
勇者 「でも行かなくちゃ、 俺の物語が終わらない……」
勇者 「このままじゃ、クリア直前で飽きてそのままみたいな感じになってしまうな……」
勇者 「よしっ!!行くぞ!!」
賢者 「ふふっ… やっと行く気になりましたか~」
??? 「あの勇者…魔王を倒すに値する者なのか……?」
賢者 「ええ、その辺は大丈夫だと思いますよ~」
??? 「あの者ならば我の代わりに魔王を倒してくれるというのか…?」
賢者 「ええ、期待はしておいた方が良いですよ~」
??? 「ふふふ……面白い。 ならばその時まで待つとしよう」
??? 「あの勇者が覚醒するまで… 我は眠りについておこう…」
賢者 「………」
賢者 「さて…私も行きましょうか」
………
……
…
その頃の魔王様。
魔王 「あ~…暇だわ~…。 暇だから町一つ滅ぼしちゃったわ~」
魔王 「勇者が早く来ないから… 暇潰しに町一つ滅ぼしちゃったわ~」
魔王 「暇だわ~…何で勇者来ないの? 我はずっと待ってるんだけどな~」
魔王 「勇者来ないんならもう一つぐらい町を滅ぼしちゃうんだけどな~…」
魔王 「暇だわ~…割とマジで暇だわ~…」
魔物 「魔王様~大変でございます~」
魔王 「ん~?」
魔物 「魔王城に侵入者です~っ!」
魔王 「ああ…勇者達が来たのか。 待ちくたびれたぞ…」
魔物 「…で、どうします?」
魔王 「今すぐ強いやつを勇者達の所へ 向かわせろ」
魔王 「勇者達に魔王の恐ろしさを 見せてやるのだ……」
魔物 「でも今この城に残ってるのって、 魔王様と私だけですよ」
魔物 「勇者が来ないからって、 中ボスさん達は皆バカンスへ 行っちゃいましたし」
魔王 「ファッ!?」
魔物 「私一人で何とか出来るとか思わないんで、私は今日で魔王城を辞めさせて頂きますね~」
魔物 「あ、これ辞表です。 今までお世話になりました!」
魔物 「それじゃあ魔王様! グッドラック!!!」
魔王 「………え?」
魔王 「つまり…どういう事だってばよ!?」
魔王 「……え、マジで?」
*「マジです」
魔王 「仕方ない…では第四竜王大陸から 仕入れたこの進化の秘宝を使うか」
魔王 「これで…もう何も恐くない!」
魔王 「準備万端っ!!」
………
……
…
つづく……。