お、珍しいじゃねーの
沙耶がこんな遅刻ギリギリに来るなんてよ
太一……。 私は朝早くに来て、校庭の掃除をしてたのよ!あんたと一緒にしないでくれる?
おーおー。そりゃご苦労なこった
うっし。そんなお疲れな沙耶さんをこの俺が労ってあげましょー!
わっ!ちょ、やめてよ! 髪の毛グシャグシャになるでしょー!
照れんなって♪ 元気でたか?
そもそも疲れてないから! あとそのパーカーは校則違反だからね!怒られても知らないよ!
お前風紀委員でもないくせにグチグチうるせーなぁ…
……幼なじみのよしみで人が心配してあげてるっていうのに……!
──倉科さん
そろそろチャイムなっちゃうよ。
進藤君……! う、うん、ありがとう!
いえいえ。 掃除、お疲れ様
……進藤君も、お疲れ様!
……おいおい。いつの間に彼氏なんか出来てたんだよ、沙耶
な!?……か、彼氏じゃないわよ! …………まだ(ボソッ
ふーん……?
なあ、あんたは沙耶のことどう思ってんの?
ええと……君は?
俺は神山太一。沙耶とは幼なじみで家も隣なんだ。
……へえ。
つかそれより、俺の質問に──
──キーンコーン……カーンコーン……
おっと。遅刻になっちゃったね
もー!あんたが長話してるせいで、進藤君まで巻き込んじゃったじゃない!バカ!
おいおい、俺のせいかよ……
ま、優等生っぽいあんたなら、適当に理由つければおこぼれ無しなんだろうけどな
太一!!
おーっと、怖ぇ、怖ぇ。 邪魔者は退散しますよーっと
……もう。ごめんね、太一が。 進藤君を遅刻させるなんて大罪だわ……
気にしないで、大丈夫。 言い訳は考えてあるよ
生徒会と学級委員でやってた朝清掃が長引きましたって言えば、先生も疑わないよ
僕達、優等生だからね!
ふふっ、進藤君もそういう事考えるのね
僕も怒られるのは避けたいからね。小さい嘘くらいつくよ
じゃ、教室に行こうか
うん!
お、また会ったな
神山君、だっけ。こんにちは
今から帰り?俺とちょっと寄り道しねー?
……喜んで
次回、君と僕が恋人になるまで。4 お楽しみに!