正奈さ~ん! 一緒に帰りましょう!
いいですよ。
おや? 今日は解羅さんは?
お姉ちゃん、落葉香の掃除の手伝いさせられてる。
それはつまり!
二人で帰れるってことですね!
まぁそうですね。
(これはチャンス!)
では帰りましょう!
うん。
ん? あれは…
どうしました?
小萌莉さんだ!
???
小萌莉さ~ん!
はひ!?
こんにちは。
あ、せ、正奈さんでしたよね?
そうだよ。
私に何の用ですか?
ううん、ただ声をかけただけだよ。
ならそろそろ帰って新作のゲームを…
あ! それ!
はい?
ブレッドモンスターでしょ!
そ、そうですが…
私も買ったんだ!
そ、そうなんですか!?
まだ未プレイだよね?
そうですね。
どっちのバージョン買った?
とりあえず食パンバージョンを買いました。
おおー!
私フランスパンバージョン買ったの!
それじゃあ今度交換でもします?
バトルもしようね!
負けませんよー!
私がブレッドマスターになる!
(私の正奈さんとあんなに仲良く!)
ゴゴゴゴゴ!
!? 視線!?
どうしました?
えっと、その。
そういえばお初でしたね♪ 私は眞流山怜子といいます♪
(あれ? さっきこの人から殺気を感じたんだけど…)
(気のせいだったのかな?)
あ、はい。 私は比木小萌莉と言います。
握手。
あ、はい!
(きっとさっきのは気のせいだったんだね! この人、かなり優しそう…)
ぎゅうううう!
ひう!
どうしたの?
あ、い、いえ! 何でもないです!
(きっと気のせいだよね? 緊張して力が入っちゃっただけだよね?)
これからもよろしく。
あ、はい。 よろしく。
しばらく三人で歩く。
一番最初より三番目が強いからある程度レベルは上げること。
なるほど。
でもそこを過ぎればなんとか進んで行けるよ!
参考になります!
・・・。
ん?
どうしました?
あ、いや、なんでもないです。
(えと、わたしこの人に何かしたかな?)
えーと…
うん?
どうしました?
・・・。
(明らかにこの人の視線なんだろうとは思うけど?)
(どうしよう、何で私を見てくるんだろう?)
あれ? そういえば…
(そ、そうか! この人、この前図書室で同性のなんちゃらとか! 愛のABCとかを借りてた人だ!)
(ま、まさかね)
このブレモンはすごく倒しやすいよ!
そ、そうなんですか?
あのね、この技を当てれば弱点…
・・・。
!?
今日はいい天気ですねー。
・・・。
せ、せい…
!?
ピクニックには最適ですねー。
(まさか、この人)
(私を狙ってる!?)
(い、いくらなんでもそんなはずは…)
(でもテレビだとこういう初めての出会いがきっかけになってるケースが多い)
(でも私、この人に好かれるところなんてないと思うし)
・・・。
(早く帰らないかな~! 早く帰らないかな~!)
(その後正奈さんと二人になって…)
ふふふ。
(こっち見て笑った!?)
(どうしよう! 狙われてるよ~!)
(おっと、敵の動向に注意しないと!)
(相手は私のこと何度も見てくるし)
(ん? まてよ?)
(確かこの人さっき正奈さんと話してる時楽しそうだった)
(つまりこの人も正奈さんが好き!)
(正奈さんは絶対渡さない!)
(どうして正奈さんはこんな女と!)
・・・。
(す、すごい品定めされてる!)
(ど、どうしよう!)
(そうだ! ネットに書いてあったことを言えば!)
あ、あの。
はいなんでしょう。
・・・。
だ、断固拒否する!!
!?
(これは正奈さんを諦めないという私への宣戦布告ですね! 正奈さんを奪うつもりですね!)
(これは隙をついて正奈さんを引き剥がすしかない!)
にこにこ。
(ええっ!? なんで笑顔!)
(私はそんな趣味はありませんって言ったつもりなのに!)
(遠まわしすぎたのかな?)
(それとも拒否されると燃えるタイプ!?)
(私は一体どうしたら…)
どうしたの?
え!? あ、いや!?
ごめんね、まさか助言しないほうがよかった?
あ、えっと。
あ、私達家がこっちなんで。
じゃ、じゃあここでお別れ…
(よし! ここで別れれば後は私と正奈さんの二人だけ!)
じゅるり♪
(ひい! 今別れたらやばい!)
す、すいません! 私のマンションの近くまで一緒に!
(ちょっ! この人!)
でも遠回りになるので…
お願いです! 助言を教えてください!
そうですか! わかりました!
(はぁ~、よかった~!)
というわけで眞流山さんとはここで…
私も暇なのでついて行っていいですか?
(ええ!?)
いいですよ。
(なんとしても二人っきりにはさせない!)
ふふふ。
えへへ。
二人「「・・・」」
二人「「安心できない!!」」
二人ともすごく仲良しだね。
この状況は小萌莉のマンションの玄関まで続いた。