ようし! 集まったか!
我々、文藝部部は今から赤里高校の七不思議を解明する!
いっえーい!
では、出発!
ここが図書館……すごく大きい。
我が校の図書館は大きさもだが、蔵書数が多いことでも有名だからな。
(もっと早くにここにこれば良かった……)
では、各自、本を捜索してくれ!
いっくぜぇ!
紫ちゃんはどうするの?
私はとりあえず、ぐるっと回るわ。
ここに来たのは初めてだし。
じゃあ、私も一緒に回ろうっと。
………………
………
本当に凄い……
持ち出し厳禁だけど、貴重な本が……
あっ、見て見て。新聞のスクラップもすごく前からあるよ。
………………
あっ、私が生まれた時の新聞だ!
普通なら市立図書館にしか置いていないような土地の歴史書とかもあるわ。
もともと、この学校を作った人はここらへんに住んでいた豪商なんだよ。
今は大きな病院とか製薬会社とかそっちの方を手掛けて大きくなっているけどね。
まぁ、確かに儲かりそうだものね。
最近は下り坂みたいだけどね。
自分の傘下の病院減らしているっていうらしいし。
栄枯盛衰だね。
ここはその儲かっていた時にこれ見よがしに集めた本だよ。
この量を?
豪商といっても地方の出。勉学に勤しめるようなよい環境じゃなかったからね。
要はコンプレックスさ。
インテリぶりたいってやつ。
へぇ。
本の種類は多種多様を極めていたが、医学関係の本が多かったことは、紫も気になっていた。
ただ、それと同じくらい地元に関する書籍も多かった。
(地元愛もあったのよね……)
桃。これを見ろ!
なんと! これは!
………………
クロ、どした?
蒼と桃が漫画読んでる……
よっしゃ、一丁俺が注意してきてやるよ!
...…うん
むっ、おかしい。
見つからないぞ。
どこかに持っていかれたんですかね?
(はぁ……あるわけないでしょ……)
(かと言って、探し続けると言ってもこの数はさすがに多すぎるわ。)
(こっそり帰ってしまおうかしら……)
あれ? 先輩たちは?
いない……
あいつら! またサボったな!
これだけ探してもないんだもんね。諦めたくなるよ。
蒼と桃は分かるけど……
山吹も……?
一旦、捜索は終了しますか?
むむむむ……
仕方ない。切り上げだ!
あいつら、後で折檻だな。
じゃあ、いったん部室に戻るか……
(はぁ、骨折り損よね……)
ただいまぁ♪
お前ら! どこに行っていたかと思ったら帰っていたのか!
どういうことだ説明してもらうぞ!
あっ、すまん。
ちょっと、用事を思い出してな。
部長。すまないが体調不良だ。
先に帰らせてもらう。
桃も……
わりぃ、俺もちょっと今日は早めに帰るわ!
じゃあな!
まったく、あいつらは勝手にしやがって!
まぁまぁ、いいじゃないですか。
うむ……まぁ、結果を出せば私は文句を言わないが……
示しというものもあるんだがな……
まぁ、今日はそんな時だったんですよ。
じゃあ、他のみんなも今日はこれで解散ね。
……うん
仕方ない。
お疲れ様でした。
紫ちゃん、一緒に帰ろう!