織姫、アンタも良い歳なんだからそろそろ結婚でもしなさいな。
うるさいナー、良い人現れたら勝手に結婚するヨー。
実はもう、アンタに合う良い殿方見つけてるから、お見合いしてきなさい。
勝手に決めてんジャネーヨー。このクソババー。
しかし現れたお見合い相手はイケメンで某乳業会社の御曹司だった。
毎朝、搾りたての牛乳が飲めるよ。
何この人、超やばめー☆
私は彦星と結婚した。
絶対幸せになれる。そう思っていた私はこの時、彦星のルックスとブランドに騙されていたのだ。
ガシッ ボカッ。私は毎日彦星に叩かれた。
もっと乳出せやコラ!
痛い。痛い。やめてー!
彼は、気に入った女性の母乳を搾乳する変態だった。
毎日何度も何度も、牛に使用する搾乳機をあてがわれた。
最初は痛いだけで何が良いのか分からなかったが、回数を重ねるうちに彼の言っていたことがわかってきた気がした。
何この感じ・・・、イヤじゃないかも///
私はだらしなくよだれを垂らしながら、彦星の愛を受け続けた。
キレイだよ・・・、織姫。
ひゃいぃぃ、がんばってぇ彦星様の為におちちいっぴゃいだしましゅううぅ♡♡♡
私は搾乳機でイク変態になった。
そんなある日、幼馴染のカササギが私の元に現れた。
アイツはマジで危ない奴だからソッコー別れろ!
私はトーゼン断った。
するとアイツは私を無理やり地元へと引っ張って帰った。
カササギったらひどい。幼馴染なのに私の幸せを壊す気!?
乳は吸ってあげられねえが、代わりに血なら吸ってやる。
カササギは吸血鬼だった。首元を噛まれ血を吸われた。
搾乳機も良かったが、吸血の方も悪くない。意識が遠のく感じがクセになりそう。
何より時折口元からこぼれる牙にキュンときた。吸血鬼サマ最高☆
ニンニク料理は当分控えてくれ。ニンニクって漢字で書いたら「人肉」じゃん? カニバリズムとかマジないから。
昔いじめっこを腹いせで食べた思い出は紙にくるんでポイと捨てた。
乳がいたぞー!
彦星の追っ手がこちらに向かっている。
私が逃げ出したのが彦星にバレたんだわ! どうしよう、カササギ!
追っ手を巻くには・・・、向こうとこちらを繋ぐ唯一のこの橋を壊すしかない!
だってこの橋は、あなたが何千年もかけて作った『カササギ橋』じゃ・・・。
カササギは吸血鬼であると同時に、この天の川に橋を渡した伝説の橋職人でもある。
君を変態に奪われるぐらいなら、こんな橋いくらでも壊してやる!
ドオオオオン!! カササギ橋は崩れ、向こうとこちらの世界は完全に断絶された。
カササギ、大好き! 私、アナタの食糧になる♡
一方、彦星の方は・・・。
申し訳ありません、彦星様。向こうに行ける唯一の手段が・・・!
構わないよ。橋が壊されたのなら、また作ればいいだけのこと。
し、しかし・・・、材料が・・・。
下界の短冊とやらが一番橋の材料に適していると聞く。願い事が叶うと触れ回り、7月7日に短冊を飾らせ回収するのだ。
思いの詰まった短冊の方が強度が高いからな。できる限り欲望にまみれた願い事を書かせよ。
まぁ願い事を叶える気は更々無いがな!
こうして始まったのが、七夕でしたとさ。めでたしめでたし。
じゃあ短冊に願い事書こっか♪ こころちゃんは何お願いするのかな?
彦星氏ね