ここね・・・。
いらっしゃいませ、お一人様ですか?
いえ、あの、・・・ ち、知人と待ち合わせをしてましてですね・・・ええっと・・・
失礼ですが、お名前を伺ってもよろしいですか?
あうええぇ・・・えっと、・・・ な、渚です。
渚様ですね。少々お待ちください。
うぅ~、他人と話すの久しぶりすぎて、舌が回らなかった・・・。
笑顔で対応してたけど、どうせ心の中じゃバカにしてるに決まってるわ。
ふん、どうせあたしなんて・・・。
お待たせいたしました。ご案内いたします。
あ・・・ぅはい・・・。
コンコン・・・
入ってるのだ。
失礼いたしました。待ち合わせの方をお連れしました。
おお、それはすまないのだ。入るといいのだ。
ガチャ
うわ、広っ・・・。
では、ごゆっくりどうぞ。
うむ、引き続きそうさせてもらうのだ。
お客様もごゆっくりどうぞ。
あっは、はい・・・。
では。
バタン
ちっ、あからさまに笑顔使い分けて、なによあの女・・・。
ここは渚のようなニートの来るような場所ではないから仕方ないのだ。
ふん、ニートとかそれ以前に客は客よ。平等に接するべきだわ。
あ~疲れた~。 外なんて2週間ぶりかしら。
たまには外に出て太陽光を浴びないと身体に毒なのだ。
む~、だからってこんな場所まで呼び出さなくったって・・・。
リハビリだと思えば楽なのだ。
とりあえず何か注文するのだ。渚が来るまで何も食べてなかったのだ。
えぇ、どうして?
むっそ、それは・・・。
なっ渚と一緒に、その・・・。
?
・・・ふん。なんでもないのだ。
? 変な楓ちゃん。
(ニートは感情まで鈍くさせるのだ。もっと外に連れ出しまくって活性化させてやるのだ。)
メニューはそっちにあるのだ。好きなものを頼むといいのだ。
え~でもあたし今月のお小遣い あと少ししか・・・。
今日は私の奢りなのだ。いつも美味しいお茶を淹れてくれるお礼なのだ。
えぇ~!? そんな悪いよ楓ちゃん!
いいのだ!
それに、脱ニートのためとはいえ、渚に辛い思いをさせてしまったのは私なのだ。いいから奢らせろなのだ。
・・・・楓ちゃん・・・。
・・・・・・。
ありがとう・・・楓ちゃん・・・!
ばっ馬鹿者。泣いて喜ぶほどのことでもないのだ。
こっこれは・・・
うっうれし涙・・・だよ・・・!
どっちも同じなのだ。注文は決まったかなのだ。
えぇっとね~。
このページのやつ全部!
・・・・・・ニートは金銭感覚も狂うのだ。早く矯正しなくてはなのだ。
~終劇~