呼んだかい卯佐木。
おうよ。
そして君たちは戻ったんだね。
ここが落ちつくので。
スーちゃんもお気に入りだからね!
君の理由も聞かせて貰おうかな。
瑠璃さんはすごい人です。 例え私たちがいなくともミス研を続けられるでしょう。
しかしここ、探偵部はとっても、深海のように深く、それはもう地球上の頂点に立つほどの馬鹿さを持つ部長が一人できりもりできるわけがない。
そんなに馬鹿じゃねーよ!
だから探偵部は私たちがいて探偵部なんです。
そうか、それなら仕方ないね。
で? 何故盗難事件の被疑者と被害者がここにいるのかな?
・・・。
・・・。
呼んだ理由は一つ、真犯人を捕まえるためです。
真犯人?
彼は動機も理由も認めてるんだよ。 それを覆すというのかい?
ええ。
ちょうどもう一人来たみたいですから。
たく、なんですか?
え!? な、なんで二人が!?
では解決といきましょうか。
で? 真犯人は誰なの?
三人とも2-Eのクラスで友達同士。
メガネ男子は彼女の私物を机から盗んだ。
そうだね。 証拠に彼の髪の毛が椅子に落ちていたしね。
ですが、それがもし仕組まれた場合のことは考えなかったのですか?
仕組まれた!?
そうです。
ですよね、彼女さん。
うぐ、
全てはあなたが仕組んだこと。
そ、それは…
まず最初に何故髪の毛をわざわざ見えるところに置いたか。
それは髪の毛を証拠として利用するためですね。
それにより彼が犯人とされた。
匂いは?
部長は多くの犯人と関わって来ました。
人は何かを隠す時、汗をかく。
部長はその匂いをかぎ取ったのです!
うわー! 超嬉しくないスキル!
でも仮にも友達ですよ、何故そんなことを?
それは本人達が一番知っているはず。
どうなんですか。
あう。
もういいんだ! 全部俺が仕組んだんだ!
え!?
あの髪は俺が椅子に置いたんだよ。
コイツの浮気性を治すために!
お、俺は…
なんで彼女がいるのに他の女生徒に!
いやだからそれは…
うがー!
な、何!? どうしたの!?
正直にいいます。 全部私が仕組んだことです。
あ、そうだったんだ。
いきさつはなんだったんだい?
実は…
事件が起こる3日前、私達は喧嘩しました。
まあ、今となってはすごくどうでもいいことだったんですけどね。
そして喧嘩は嫌だから謝ろうとしたと時…
彼は他の人と一緒に帰っていたんです。
私は怒りました。
そして誰もいなくなった教室で…
彼の机からノートを盗みました。
教室を出て行こうとした時…
友達と出会ったんです。
どうやら見られてたらしく、いきさつを話しました。
すると友達は協力すると言ってくれたんです。
なるほど、そうだったんですね。 それでみどり髪さんの提案で自分の机から物を取り、彼の髪を置いたということですね。
友達は悪くありません! 全て私がやったことです!
ということだったらしいですよ。
あ、いや、その。
お前が浮気しなければ!
浮気? 何のことだよ?
とぼけるつもりか! 他の女子と一緒に帰ってたんだろうが! 彼女が見たって!
いっておくがあいつは男だぞ。
え?
ええっ!? だって女子の制服着てたし!
買ったんだってあの制服。
この前のはそのお披露目がしたいと言われたからついでに相談に乗ってもらうために一緒に帰ったんだよ。
相談?
俺も仲直りしたかったけどどう言ったらいいかわからなくて。
考えたら俺、女子の友達はお前しかいなかったんだよ。 だから男友達に相談したんだ。
じゃあ、全部勘違い!?
でも何で自分がやったって言ったの?
お前がやったと思ってな。 お前を犯人にしたくなかったんだよ。
そ、そうだったのか。
なあ。
ふえ?
また元通りに戻ろう。 今度は喧嘩しないように。
うん!
二人「「お前らラブラブで羨ましいなぁ!!」」
部長! スーちゃんを出動させますか!? 今ならミーちゃんも出撃可能です!
やめなさい。 死人が出る。
その後、三人はまた仲良く戻って行った。
さて。
実に見事だったよ。 私なんかまだまだだね。
どうだ! 探偵部の結束力を思い知ったか!
流石卯佐木だね。 いい仲間を持ったみたいだね。
じゃあ私はそろそろ失礼するよ。
じゃあまた明日な。
また明日。
瑠璃さん。
ん? 二尾君か。 どうしたんだい?
部員のことで。
何? 戻って来てくれるのかい? 嬉しいな。
どうして副部長のところだけ空白なんですか?
あ、えっと…
まいったな、気がついたのか。
たまたま資料を見て気がついたので。
ふむ、君になら話してもよさそうだ。
私のミス研の副部長はもうすでに決まってるんだよ。 候補だけどね。
なかなか縦に首を振ってくれなかったんだよね。
でもきっとその人も瑠璃さんのすごさを知ればなってくれますよ。
応援ありがとうね。
部長「よっしゃー! 部屋で花火だー!」
では私は馬鹿を止めに行ってきます。
頑張れ。
・・・。
瑠璃「副部長はすでに決まってる」
次の日、
瑠璃~!! 私の500円が消えたよ~!
それは大変だね。
ちくしょー! 500円ー!
ようし! 私が解いてあげよう。
マジで!? ありがとう!
ところで、君のおでこについてる金色のものはなんだろうね。
それは500円…
そうだった! つけて遊んでたの忘れてた!
解決だね。
流石瑠璃!
ようし! ジュース買って来るー!
いってらっしゃい。
瑠璃のも買ってあげるよ!
卯佐木といると退屈しないな。
そう、だから私は空けておく。
卯佐木のために副部長という私の相棒の場所を。
何飲むか聞くの忘れた!
栄養ドリンクで。
おっけー! コンビニまで行って来る…
わけないだろ!
やっぱり卯佐木といると退屈しないね。