では、自己紹介を始めましょう。 私は哲です。よろしくお願いします。
俺は慈四だ。よろしく!
ほう、こいつらなかなかいい面構えをしてやがる。 「俺は斗夢だ。よろしくな。」
ぼぼ、僕はあああです。 よろしくお願いします。
こいつはダメだな。 俺たちと一緒のグループになっちまって可哀想に。
さて、次は役割を決めましょうか。 まずは司会…
「司会は俺がやる!誰も文句は言わせねーぞ?」
いいぜ。 じゃ、俺は書記をやらせてもらうよ。ちょっと準備してくる。
そう言って茶髪は席を立った。 数分後、俺は驚愕したぜ。
お待たせ コロコロコロ…
まさかキャスター付きのホワイトボードごと持ってくるなんてよ。 こいつ…できる…そう思った。 しかし――
では、私はタイムキーパーを… ゴトンッ
上には上がいやがった。鳩時計とはとんだイカれた野郎だぜ。だが、掴みではこいつらの方が一枚も二枚も上手だ。
それじゃ、討論を始めましょうか。
慣れた手つきで鳩をしまい、時間が来たら鳩が飛び出るようにセットしながらそう言った。
「そうだな。テーマは学力低下についてだ。何か意見のある奴はいるか?」
そうゆうあんたはどう思うんだい? (ククク、あんたの実力見せてもらうよ)
こいつ…俺のこと試してやがるな。 ふん、いいだろう勝負してやる…と言いたいところだが
「学力低下か…書記に聞きたいんだが、そもそも学力ってなんだと思う?」
(な、なんて返しをしやがるんだ。質問を質問で返すという、これはまさにキラーパス!こいつ…できる…!)
そ、そうっすねぇ…タイムキーパーさんはどう思いますか?(ふん、どうよ?このスルーパスは。さぁ、お前ならどう答える?)
知りません。
!!? 知らないと言える勇気…!NOと言える日本人アピール…!これはポイント高い…!
(くそう!あんな無茶苦茶なパスを拾ってゴールまで決めるとは…!やめりゃよかった…こんなエースストライカーにパスを出すなんてよ…)
正直、学力なんてどうでもいいと思います。私は、学力なんかよりもっと大事なものがこの世にはあると思うんですよね。
この男とやり合うのは危険だな…。 「俺もその意見に賛成だ。」
(ちっ…俺の意見に乗っかってきやがったか)
(ほう、二人で俺をつぶそうってわけかい?だが、そうはさせないぜ。)
二人に聞きたいんだがよ、学力より大事なものってなんだ?(ククク、さぁどう答える?半端な答えだと自滅するぜ?)
そんなのもちろん決まっているさ
「「友達(ダチ)だ!!」」
なっ! 即答な上に、完璧な解答…だと!?
はぁ、俺の負けだ。もう論破なんかできやしねぇ。 俺はもう帰るよ…。
そう言って茶髪は席を立とうとした。その時――
待て。 まだ…鳩がポッポしてないだろ? しゃべっていけ。
こ、こんな俺でもまだ討論していいって言うのか?
「当たり前だろ?それによ、書記がいねーと意見がまとまらねーんだ。」
お、お前ら…俺、今まさに学力より大事なもん見つけた気がするよ!!
「「そうだな。」」 風…そう、今まさに俺達の中には心地よい風が吹いている。しかし、奴が一気にぶっ壊しやがった。
みなさんの意見、だいぶ論点からずれていますね。話を元に戻しましょう。
!!!? やりやがった。俺の司会の仕事を奪うだけでなく、みんなの評価まで落としていくとは…!
こ、この豚野郎おおおおおお!
「待て!手を出したら負けだ!これは討論だ。やり返したきゃ口でやり返しな。
す、すまない。ついカッとなって…。
なぁ、どうするよ?今のであいつの評価がグンと上がったぜ?このままじゃ俺達…
「たしかにな…。それじゃ、俺達いったん手を組まないか?三人であいつを打ち負かそうぜ!」
「「おう!!」」 こうして俺たち三バカは結束した。
それで僕の意見なのですが、学力低下はよくないと思います。なぜなら学力が低下すると国力も低下するからです。
まずは俺からいかせてもらうぜ。 おい豚、国力ってなんだよ?
国力とは、国のもつ軍事力、経済力、技術力などを総合した力のことです。今挙げた力って高い水準の学力があってこそだと思いませんか?
お、おう…。
ハッ、しまった…。
(ちっ、あっさりやられてんじゃねーよ。)次は私がいく。学力低下が国力を低下させるのはよく分かった。
だが、今豚が言ったような学力って学校で教わる時代遅れの学力にすぎないんじゃないか?
(そう攻めたか。「学力」なんて知らないくせに、よく言うぜ)
確かに、これまで学力と言われてきたのは、ただの詰め込み…いわば意味のない暗記であることもありました。
しかし、今の学力低下を放置するのは間違っているでしょう?現実問題、分数すらできない大学生もいるんですよ?
ふん、分数なんてなんの役に立つ?そんな勉強よりも、いろんなところから情報を得て、それを分析する能力の方が大事だろう?
(対等にやりあってる…頼むぜおっさん。この豚をぎゃふんと言わせてくれ)
なるほど。素晴らしい意見ですね。 では、学校の学習内容を実社会に役立つように改めるのはどうでしょうか?
お、おう…。
「おう」じゃねーよ! それに何照れてんだお前は。
しまったああああああ!
「はぁ…お前らダメダメじゃねーか。よし、俺が行こう。おい豚、お前好きな食べ物は何だ?」
(ん?こいついったい何を…?)
(ハッ、そうゆうことか!)
(そんな手を思いつくとはな。カリスマ…お前は間違いなく俺たちのカリスマだよ。)
ふ、どうやらみんな気づいてくれたようだな。
好きな食べ物ですか? ジャンクフードならなんでも!
バカ三人「今の意見、だいぶ論点からずれていますね。話を元に戻しましょう。」
なっ!!? や、やられた!!
勝った…俺たちは勝ったのだ! そして、俺達の勝利を祝福するかのように鳩がポッポポッポと言ってやがる!
俺たちは互いに健闘を讃えあい、ユニフォーム交換をした。 今まで味わったことないくらい最高の気分だぜ!
さあお前ら、レッツパーリィだ! 「「おう!!」」
不思議なことに、俺達のグループでは豚以外みんな落ちていた。
~後日~
「お前ら暇だよな?」
もちろん。
それがどうかしたか?
「暇ならよ、俺と一緒にロックバンドやらねぇか?」
ー完ー ご覧いただきありがとうございました。