12月31日....
TV 『揚げたらら いっぱい食べよう みんなでね』
あはははははは!!!!
『揚げたらら』って!! あっ! 『らら』て!!! あははははは!!!
ひぃ~! 無理! 無理!! おっお腹っ! ひひぃぃ~!!!
やっぱり大晦日は笑ってはいけないシリーズに限るね!
渚、二十歳も過ぎた娘がそんなに大きな声で笑うのは、お父さんどうかと思う・・・・
はいはい、すいませんでした。
『はい』は1回。
・・・・はい。
お父さん、大晦日だって言うのに、そんな小言ばかりこぼすんじゃないの!
いやしかし、母さん・・・・。
いいじゃない、面白いものを見て笑って何がいけないのよ? ねぇ、渚?
そうそう、面白いものを笑わなきゃ体を張ってる芸人さんにも失礼だよ。
いやしかし・・・・
渚&母 『あははははははは!!!』
・・・・なんだかなぁ。
PM10:20
ピンポーン
あらあらどなたかしら?
あっ多分楓ちゃんだ!
そういえば一緒に初詣に行く約束してるって言ってたわね。
・・・・大丈夫か? いくら大晦日で小宮さんが一緒とはいえ夜中に娘二人で・・・・
・・・・・・。
! お父さん!!!
!? ・・・・な、渚。
・・・・何、お父さん?
・・・・き、きおつけていっておいで。
はぁ~い♪
ついでに屋台の大判焼き買ってきて。『うぐいす』と『こしあん』一個ずつよ。
了解!
じゃ、行ってきまーす☆
楓ちゃん、お待たせ~♪ 早く行こう~♪
・・・・・・。
お父さん。
ん?
お酒。
・・・・ああ。
? 何自分のコップ出してるの?
え?
お酌してって言ってんのよ。
!?!?!?!?!?
PM10:30
ワイワイ・・・・ガヤガヤ・・・・
もうこんなに人がいるんだね!
うむむ、人ごみを避けるために早めに出たのだが、浅はかだったのだ。
とりあえず最後尾行こうか。
ワイワイ・・・・ガヤガヤ・・・・
ね、楓ちゃん。
うん?
手、つなごっ♪
なっ!?
ポケットの中ならバレないよ。だいじょぶだいじょぶ♪
そ、そそそういうもんだいじゃじゃzz
ほらほら~、渚の右ポケットは楓ちゃんのプリチーな左手を待ってるよ~♪
む、むむむ・・・・。
~~♪
な、なぎさが? そこまで言うんならぁ?
えいっ!
!!?!!?!?
うふふ♪ 楓ちゃんの手、すべすべ~♪
こっこら渚! くっくすぐったいのだ!
楓ちゃんの手、つめた~い~♪
そ、そりゃずっと寒空の中にいたから当然なのだ。
だけどね。
ん?
・・・・とっても、落ち着く。
・・・・なぎさ。
ほらほら、もっと奥に手を突っ込んでいいんだよ♪
こ、これ以上突っ込んだらくっ付きながら歩かなきゃならないのだ! 流石に人目を気にするのだ!
楓ちゃんは常識人でんがな~。
おかげで渚には振り回されてばっかりだったのだ。
え~? そうだったかな? むしろ楓ちゃんの方があたしを振り回してた気が・・・・。
あ、列が進んだのだ。渚、早く進むのだ。
んもぅ、すぐそうやってはぐらかすんだからぁ~。
野球部員A ・・・・すまん、ちょっとトイレ行ってくるわ。
野球部員B !?
PM11:20
神よ! 貴様にこの銭をくれてやる!
あと5分で年越しとはいえ、神様に喧嘩を売るでない、渚!
じょーだんだよ☆
まったくもぅ・・・・。
ジャランジャラン・・・・
チャリ~ン
ぺこっ ぺこっ
ぱんっ ぱんっ
ぺこっ
・・・・流石に『二礼二拍一礼』を擬音だけで済ますのは無理があると思うよ楓ちゃん。
では実況でもするかなのだ、渚。 エッチなゲームで売れるためには実況力を身につけねばならないと聞くし。
別にエッチなゲームに出る気はないよ!? ていうか楓ちゃんもしかしt
さて、帰ろうか渚。
え? ちょっとそこは否定してよ楓ちゃん!? 楓ちゃん!? え!?
かえでちゃーーーん!!!
ねぇ楓ちゃん。楓ちゃんはさっきなんてお願いしたの?
ん~? 気になるのか渚。
えへへ~、ちょっとばかし♪
では教えてあげないのだ♪
え~! そりゃないよ楓ちゃん!
願い事は自分の胸に秘めておくから良いのだ。野望を他人に喋る奴の最期は大抵ろくなことが無いのだ。
野望って・・・・
で? 渚はどんなお願いをしたのだ?
え? 楓ちゃんそれ聞いちゃうの? あたしには教えてくれないのに?
『それはそれ、これはこれ』という言葉もあるのだ。
いやいや! この場合、 『それはそれ、これもそれ』だよ! 自分だけ教えないのはずるいよ!
そこまで言われてはしょうがない。わがままな渚のお願いに答えてあげるのだ。
(最初ッからもったいぶる気満々だったね楓ちゃん)
・・・・・・。
?
やっぱり恥ずかしいのd
か~え~で~ちゃん☆
んああ!? な、なぎさ何を!?
楓ちゃん、楓ちゃんの右手はあたしの左ポケットの中にあることをお忘れかい?
くっ・・・・! 人質ならぬ手質とは小癪な手を使うのだ!
ほらほら、正直に言ってごらんよ? 楓ちゃんは何をお願いしたの?
んああ! な、渚、やめる・・・・!
ほらほら、こういうところとか・・・・どう?
ううう、付け根を攻めるなんて・・・・いつの間にそんなテクニックを・・・・!
さぁさぁ、早く吐いて楽になっちゃおうよ、楓ちゃん☆
い、言うのだ・・・・言うのだ渚。 だ、だからこれ以上は・・・・!
最初ッからそういえばいいのに~。
ふぅ・・・・ふぅ。
渚には本当、参ってしまうのだ。
最初は私の専売特許であったセクハラを、まさか渚に取られるとは思わなかったのだ。
楓ちゃん、意外と奥手だからねぇ~♪ さぁ、楓ちゃんのお願いを聞かせてもらおうか?
・・・・渚と。
え?
渚とずっと・・・・い、一緒に・・・・。
・・・・・・。
い、居られますようにって・・・・。
・・・・楓ちゃん。
いいい言ったのだ!? ちゃんと言ったぞなのだ!? これで満足k
かえでちゃ~~ん!!!
な、渚!
ぎゅうぅ~
楓ちゃん! 楓ちゃん!
な、渚! くっ苦しいのだ! なぎs
あたしも一緒だよ!
楓ちゃんと、いつまでも一緒に居られますようにって!
・・・・渚。
これからもよろしくね!
楓ちゃん!
・・・・こちらこそなのだ。
渚。
あ!
ど、どうしたのだ渚!?
お母さんに大判焼き買ってくるように頼まれてたの忘れてた!
なぎさぇ・・・・。
どうしよう! もう一回初詣してこなくっちゃ、楓ちゃん!
え? 私もなのか?
大判焼き買うためだけにもう一回あの列に並ぶのは恥ずかしいよ~。お願い、一緒に並んで!
いや、別に列に並ばなくても屋台だったら普通n
つべこべ言わずにほら!
ちょ!
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1
....1月1日
Happy new year!!!!
そだ! 楓ちゃん!
なんなのだ、渚!
明けましておめでとう!
おお! もう新年を迎えてしまったのだ! おめでとう!
今年もよろしくお願いします! 渚!
あたしこそ! 今年もよろしくね、楓ちゃん!
あけましておめでとうございます!
今年もils共々、よろしくお願いします!
~終劇~