なぜ私はここにいるのだろう
今宵はお集まりいただきありがとうございます
なぜ私はこいつに呼び出されたのだろう
では早速ですが
なぜ私は
私はどのようにあのメイドに謝ればいいんでしょうか
こんなどうでもいい議題の会議に参加しているのだろう
屋敷の執事さん だいたい4話 「腰の角度は90度で」
目の前の執事
執事が連れてきた美少女 執事曰くペット 本人曰く探偵 ペットと探偵って交わらないと思う
そしてなぜか私とお姉さん
何かしら誠意を見せるべきだというのはわかっているんですが……
相手が相手ですのでどうしたものかと
コイツ本当にメイドさんが嫌いなんだな
そもそも何をして怒らせたんだい？ それがわからないことには考えようもないだろ
探偵を名乗るだけあって、それなりにまともな思考はできるようだ ペット扱いされてるからてっきりあれなのかと思った
アレのお気に入りだったぬいぐるみに牛乳をブチまけてしまいました
洗ってやるなりすれば解決じゃないのかそれ
確かにそれが一番最初に頭に浮かぶ案ではあるんだけど…… いちいち相談するってことと目の前の執事の性格からして
ヤですよそんなの
……やっぱり 理由はわからないけど洗うのは嫌らしい
牛乳被って何日経ったかもわからんあんなもの触れられるか
ちょっと待て 何日経ったかわからないってどういうことよ
いつ汚したのかは覚えてないが、少なくとも四度は部屋に呼ばれるくらいもの間、牛乳塗れらしい
いろいろとおかしいぞ今のセリフ
ていうか口調、崩れてきてるじゃない
Justice、口調が乱雑よ
すみません 気をつけます
この執事、お姉さんだけには従順だな
別に気をつけなくてもいいわ あなたが喋りやすいようにしなさい
そしてお姉さんの対応が他の人を相手するときより心なし柔らかい気がする
この二人どういう関係何だろうか
で、洗うのがダメならどうするんだい？ そもそも、君は今まで四度部屋に呼ばれて何をしてきたんだ
ペットの目に侮蔑じみたものが宿っている まぁ、そうなるのもわからないではないけれど
記憶にございません
もう私帰っていいだろうか 本人にやる気ないじゃん 手伝いようないじゃん
もう寝るよ 部屋の鍵は開けといてやるけど、メイドに謝るまで帰ってくるな
ペットに見限られるような執事がいるこの屋敷は大丈夫なんだろうか ……ていうか同室で生活かい いいご身分だな執事
え？いや、ちょ！
おやすみなさい
情けない執事をよそに、私たちに挨拶をして帰って行ってしまった… 主人の相手を押し付けやがった、あの狐
とりあえず深呼吸でもしてなさいJustice
主人に気を遣わせる執事って一体
……俺はどうすればいいんでしょう このままじゃあの子に合わせる顔がない
うん、物理的に会うこと拒まれてたもんね
寝顔を眺めるだけの日々なんて嫌だ……
コイツ……
見苦しいわよ、Justice メイドに謝れば済む問題じゃない どうせメイドも一言謝って欲しいだけよ
とりあえずそうしてみます
そう言い残して、ついでに私たちも残して、勝手にフラフラと行ってしまった執事 ……帰っていいのかしらん
ねぇ
はい？
珍しい、お姉さまから声をかけてくるなんて こんなこと初めてじゃないかしら
あなたから見て、私とJusticeはどう見えるのかしら
やっぱりこの人は謎だ というより、やはりこの二人何かあるのね
少し当たりがよく見えますよ、お姉さんの
そ、ありがとう
謎だ
ただいま戻りました
早いな 何やらかして帰ってきた
何やらかしたのよ
頭下げ 謝り倒して様子見て 洗えと言われて 断ってきた
字余り？字足らず？ どっちかわからないけど目の前のバカは救い用がないことだけはわかった
あんたバカ？
うわ、辛辣
今ならおまけに甲斐性なしもつけていいですよ
あんたの甲斐性は知らん
メイドのぬいぐるみを洗濯しなさい それだけで済む話よ これ以上は助けようがないわ
言い残すとお姉さんまで私を置いて帰ってしまった
執事が何か期待をした目でこちらを見ている 自分でなんとかしろ
なぁ、いいバイトがあるんだけd
自分で洗濯しろ
結局執事は自分で洗濯した 結果ぬいぐるみが縮んだらしい あの執事ホント大丈夫か ひいてはあれを雇ってる屋敷も不安
メイドはメイドで、執事に期待するのは諦めたらしく、それを知った執事はどこか晴れやかな顔をしている それでいいのお前ら
to be continued,
