野球観戦なのだ~♪
青い空 白いボールに夢乗せて 届けスタンド場外へ
う~む、やはり野球は太陽と青空の下で行うのが一番なのだ。
渚もそう思うだろうなのだ。
いや、あたしはどっちかっていうとテレビ中継で間に合ってる派なんですけど・・・。
何を言う! 早見優!
いやしかし、球場に足を運んだことのない球場処女の渚には、良さが分からないのも無理ないのだ。
楓ちゃん、カラオケの時もそうだけど、なんでもかんでも処女つけるのは、どうかと思うよ・・・。
そんなことはないのだ。「処女作」「処女航海」「処女地」・・・処女という言葉は普通に使われてもなんら差し障りはないのだ。
そういった表現を誤った捉え方をしてパワハラセクハラと訴えられてしまう世の中が迫ってきているとしても、
私はそんな下らない世間論に乗っかるつもりは更々ないのだ!
せ、せやな。
などと言ってる間に開場なのだ。
行くのだ渚! テレビでは伝わらない野球観戦の醍醐味を、たっぷりと渚に味あわせてあげるのだ♪
うわわわっ!? か、楓ちゃん! 服の袖引っ張っちゃやだよ! 楓ちゃ~ん!
※球場内野席側です。
とう!
シュタ!
ゲート通過なのだ!
ほらほら、渚も早く来てみるといいのだ~!
んもう、楓ちゃんってば子どもみたいにはしゃいじゃって・・・
※イメージです
す・・・
すごーい!!!!
ふふふ、どうだ渚。スタンドからみるこの球場の雰囲気は!
すんごい広い! 両翼98mなんて狭いなんて思ってたけど、実際にみるとめっちゃ広いんだね!
こんな広いグラウンドの中で、選手たちは打って走って守っているのだ!
うわー! これは今から試合が楽しみで仕方ないよぉ楓ちゃん!
ふふふ、そんなにはしゃいでは9回まで持たないぞ渚。
とりあえず指定席まで行って、そこでご飯にするのだ。
え? 試合見ながらご飯食べるんじゃないの?
試合を見ながら昼ごはんとな!?
そ、そこまで驚かなくても・・・。
あのな渚、試合中はいつファールボールが飛んできてもおかしくないのだ。言わば戦場なのだ。
ただでさえ一投一打に注目する中で、球場処女の渚がのんびりとお昼を取れると思っているのか?
・・・無理、かなぁ。
そうであろう、だから今のうちにお昼を済ませておくのがベストなのだ。
なるほど・・・。
などと話しているうちに着いたのだ。
さぁさぁ、さっそくのんびりとお弁当タイムなのだ♪
あ、楓ちゃんのお弁当可愛い~♪
そんなことあるのだ♪ でもでも、渚のお弁当も十分可愛いのだ♪
えへへー♪ ちょっと張り切って早起きして作ったからね♪
どれどれ、一つ味見をさせてもらおうかなのだ~♪
あ~、もぅ、 楓ちゃんのハイエナちゃんめ~。
んふふふ♪ この卵焼き、ちょっとしょっぱいが、とっても美味しいのだ♪
人のお弁当勝手に食べてまさかの辛口コメント! これには渚さんも反撃に出なければならないようだね!
というわけで、そこのコロッケを一切れいただきなのだ!
あっ、渚、そのコロッケは!
ん~♪ ちょっぴり辛いけど、美味しい・・・
・・・・・・。
・・・・う、うん。 ちょっと、辛い・・・・
渚・・・・その・・・・
か・・・・か・・・・
・・・・すまんなのだ。
カラヒーッ!!!!!?!?!?
おおお落ち着いて! い、今お茶を出すのだ!
!!??!?!?!?!??
ほら、渚! お茶なのだ! 慌てずゆっくり、しかし正確に、飲むのだ!
んぐっ、んぐっんぐっ・・・。
・・・・ぷはぁー!!!
大丈夫か、渚?
う、うん・・・。 なんとか・・・平気・・・。
すまないのだ、私の好きな激辛コロッケの存在を伝えるのを忘れていたのだ。
だ、大丈夫だよ。楓ちゃん・・・。
球場処女に与えられた試練だと思えば、これくらいのこと・・・。
その言葉はファールボール直撃の時に使うべきなのではなのだ・・・。
身内に敵ありとは、まさにこのことだね・・・。
何か言ったかなのだ?
ううん、なんでもないよ!
とりあえず、激辛コロッケの件は水に流して、お昼の続き、しよ♪
そうしようなのだ♪
~つづく~