それでこんな時間になんだ? 大人しく家で紅白でも見ていろ
まぁまぁ、そんなこと言わないでさ。実は俺、告白されたんだ!
ほう?
クリスマスの夜にさ、メールが来て。告白するつもりだったんだけど、来なかったからってさ~♪
それで?
よかったら初日の出を観に行きませんか? だって。いや~、可愛いね。可愛いよね~♪
だから、何なんだ?
や、何なんだって聞かれてもさ……
お前、私が告白された事が無いと思ってるのか?
え、や、その……あんの?
大体、私はお前の何なんだ? 保護者か? 女友達か? 親友か? 幼馴染って何なんだ?
あ、あの……?
この馬鹿!! さっさと、その女の元に行ったら良いじゃないか!! 私なんかどうでもいいだろう
何で私にそんな事、報告するんだよ。私に何を求めてるんだ!? 何で私の気持ちに……気付かないんだよ、馬鹿!!!
あ~、いや、その……ごめん。違うんだよ
何が違うって言うんだ?
俺はさ、その……お前と初日の出を見に行きたいんだよ。お前に側に居て欲しいんだよ
え?
これまでずっと一緒で、何をやるにもお前がいて、俺の思い出の殆どがお前の思い出で。これからもずっと、お前との思い出を増やしていきたいんだ
……それだけか?
あ~!! もう分かったよ。俺はお前のことが好きだ。ずっとずっと、好きだった。今だって好きだし、これからも好きでいる
だから、俺とずっと一緒に居て欲しい
うん……私も、好き
はぁ……ほら、出かける準備しろよ
うん。でも、あのね? 手、握っていい?
そんなの当たり前だろ
うん。懐かしい。暖かい
ほら、早く仕度しろ
うん!!
その日、二人は家に帰るまでずっと手を握ってましたとさ。
おしまい