『少女の角笛5』

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少女は黄金の海原を一人歩む。

秋の季節。

黄金の麦畑では農夫達がせわしなく収穫に追われていた。

少女は赤いスカーフをつけた農夫に聞いた。

「この小麦畑はどこに続くのか?」

「地平線の彼方まで」と、赤いスカーフの農夫は答えた。

「地平線の終わりには、何が続くのか?」そう少女は問うた。

「終わりはない。収穫が終われば、収穫の時期がやってくる」赤いスカーフの農夫は、汗をぬぐい言う。

地平線まで続く黄金の海を眺めながら、少女は沈む夕日に目を細める。

”終わる太陽”を眺めながら、少女は何かに焦らされる気持ちにかられながら、

黄金の海原をなぜる風に身を任せる。

赤いスカーフの農夫は「どこに行くのか?」と聞く。

少女は「終わりはない、果まで行く」そう言う。

赤いスカーフの農夫は少女に「ここらには冬眠にひかえた凶暴な熊がいる」と警告し、

一夜、赤いスカーフの農夫の自宅に泊まることを進める。

少女は警戒することなく「はい」と短くうなずくと、「見知らぬ男にそう易々ついていくものではない」と叱られた。

赤いスカーフの農夫のログハウスへたどり着くと、一人の幼い子供が迎に出てくる。

彼の娘だ。

母は彼女を産むと同時に、死んだ、と彼は苦笑いとともに言った。

少女は、親を知らない。記憶がないため、親の顔さえ思い出せない。

そして、今まで売春宿で働いていた、と男に話、そこで出来た傷やお腹の後を見せようとした時、

彼は私を強く抱きしめ「もう、言うな」と優しく言った。

彼の娘も泣きそうだったので、私はそれ以上何も言わなかった。

その夜、私は彼の娘と共に床へついた。

彼の娘はなんとも心地よく、暖かな存在で、少女は今までになく深く眠った。

頬に一筋の涙をこぼし、その訳も思い出せぬまま・・・・ーーーー。

んーー?ん?

な、なんですか?

いや、以外にまとも・・・

いや!

まとも過ぎておもしろくないッッッ!!

えぇーー・・・・。

なんというか、お涙ちょうだい、みたいな?

すこーし、美談にしちゃお!みたいな?

しかし、まぁ、これでもよかろう!

(だから、なんで上から目線なのよ!)

まぁ、今度はもっと”遊び心”を出してみてはいかがかな、と提案してみよう!

遊び、心?

そう。規定の文章で作るのではなく、君の感性、君のセンス、君の思うように作ってみたまえよ。

(ゴーストライターなのに?)

わ、わかりました。今度はそうしてみます。

うむ!次も期待しているぞ!咲夜君!

バッシン!と私は文芸部部長に背中を思いっきり叩かれる。

(っく・・!覚えてなさい!)

では!失礼します!

ガシャン!

そうして、私は不服のまま文芸部をあとにした。

5/1

5/2

とりあえず、用事はすみ、学校を後にして帰路にたった。

ん?

すると、校門を出るあたりで、プーン、と蚊の羽音が耳をくすぐった。

(また蚊か。まだ六月だっていうのに、迷惑な話だなぁ・・・。)

とりあえず、パタパタと手を振り音だけの敵に私は権勢をする。

すると、曲がり角の端から、去りゆく人影を見つける。

(ふむ、怪しい)

(気にはなるが・・・)

(君子、怪しきに近ずべからず、ってね)

と、私は怪しい影を無視して帰路につく――

帰路に、

帰路に、

帰路につけないでいた。

(なーぜか、無性に気になるのよね・・・)

(と言うか、なぜここまで気になるのかしら?)

(なにかしら、これは)

(意味もなく、不自然と気になるわ)

そうして、私は人気のない場所へとたどり着いていた。

え?ちょ、ここ、どこよ?

そこは、この街の端にある神社だった。

正月や夏祭り時には栄えるこの神社も、こう平日の昼間時は神秘的ーーー

と言うよりも、訝しげな雰囲気であった。

なんでこんな神社・・・?

そして、ふと、私は後ろから注がれる視線に気づく。

(え、っちょ?!ふ、不審者?!)

ザッザッ・・・・

砂利を踏みつけながら、私の後ろにいる存在は近づいてくる。

(ちょ、ちょっと!ひゃ、ひゃくとうばん?!)

私はカバンの中にしまったはずのケータイを探し、手をいれる。

(はっ、はやくしないと!!)

そうするも、焦れば失敗するのが私の性格なのか、ケータイをカバンから漏らしてしまう。

あっ、ちょ!

そうして、私のケータイは後ろの存在に拾われーーー

お・と・し・ま・し・た・よ♥

・・・・・・。

おや、反応が薄い。

あのー、これアナタのですよね?間違いありませんよね?

ね・・・・

ね?

ねこみみだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!

後に、コレは狐耳と私は知らされた。

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公開日 2013/02/06 00:37 再生回数 5

作者からのコメント

んー、そろそろ、この話も終盤って感じ?

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