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少女は黄金の海原を一人歩む。
秋の季節。
黄金の麦畑では農夫達がせわしなく収穫に追われていた。
少女は赤いスカーフをつけた農夫に聞いた。
「この小麦畑はどこに続くのか?」
「地平線の彼方まで」と、赤いスカーフの農夫は答えた。
「地平線の終わりには、何が続くのか?」そう少女は問うた。
「終わりはない。収穫が終われば、収穫の時期がやってくる」赤いスカーフの農夫は、汗をぬぐい言う。
地平線まで続く黄金の海を眺めながら、少女は沈む夕日に目を細める。
”終わる太陽”を眺めながら、少女は何かに焦らされる気持ちにかられながら、
黄金の海原をなぜる風に身を任せる。
赤いスカーフの農夫は「どこに行くのか?」と聞く。
少女は「終わりはない、果まで行く」そう言う。
赤いスカーフの農夫は少女に「ここらには冬眠にひかえた凶暴な熊がいる」と警告し、
一夜、赤いスカーフの農夫の自宅に泊まることを進める。
少女は警戒することなく「はい」と短くうなずくと、「見知らぬ男にそう易々ついていくものではない」と叱られた。
赤いスカーフの農夫のログハウスへたどり着くと、一人の幼い子供が迎に出てくる。
彼の娘だ。
母は彼女を産むと同時に、死んだ、と彼は苦笑いとともに言った。
少女は、親を知らない。記憶がないため、親の顔さえ思い出せない。
そして、今まで売春宿で働いていた、と男に話、そこで出来た傷やお腹の後を見せようとした時、
彼は私を強く抱きしめ「もう、言うな」と優しく言った。
彼の娘も泣きそうだったので、私はそれ以上何も言わなかった。
その夜、私は彼の娘と共に床へついた。
彼の娘はなんとも心地よく、暖かな存在で、少女は今までになく深く眠った。
頬に一筋の涙をこぼし、その訳も思い出せぬまま・・・・ーーーー。
んーー?ん?
な、なんですか?
いや、以外にまとも・・・
いや!
まとも過ぎておもしろくないッッッ!!
えぇーー・・・・。
なんというか、お涙ちょうだい、みたいな?
すこーし、美談にしちゃお!みたいな?
しかし、まぁ、これでもよかろう!
(だから、なんで上から目線なのよ!)
まぁ、今度はもっと”遊び心”を出してみてはいかがかな、と提案してみよう!
遊び、心?
そう。規定の文章で作るのではなく、君の感性、君のセンス、君の思うように作ってみたまえよ。
(ゴーストライターなのに?)
わ、わかりました。今度はそうしてみます。
うむ!次も期待しているぞ!咲夜君!
バッシン!と私は文芸部部長に背中を思いっきり叩かれる。
(っく・・!覚えてなさい!)
では!失礼します!
ガシャン!
そうして、私は不服のまま文芸部をあとにした。
5/1
5/2
とりあえず、用事はすみ、学校を後にして帰路にたった。
ん?
すると、校門を出るあたりで、プーン、と蚊の羽音が耳をくすぐった。
(また蚊か。まだ六月だっていうのに、迷惑な話だなぁ・・・。)
とりあえず、パタパタと手を振り音だけの敵に私は権勢をする。
すると、曲がり角の端から、去りゆく人影を見つける。
(ふむ、怪しい)
(気にはなるが・・・)
(君子、怪しきに近ずべからず、ってね)
と、私は怪しい影を無視して帰路につく――
帰路に、
帰路に、
帰路につけないでいた。
(なーぜか、無性に気になるのよね・・・)
(と言うか、なぜここまで気になるのかしら?)
(なにかしら、これは)
(意味もなく、不自然と気になるわ)
そうして、私は人気のない場所へとたどり着いていた。
え?ちょ、ここ、どこよ?
そこは、この街の端にある神社だった。
正月や夏祭り時には栄えるこの神社も、こう平日の昼間時は神秘的ーーー
と言うよりも、訝しげな雰囲気であった。
なんでこんな神社・・・?
そして、ふと、私は後ろから注がれる視線に気づく。
(え、っちょ?!ふ、不審者?!)
ザッザッ・・・・
砂利を踏みつけながら、私の後ろにいる存在は近づいてくる。
(ちょ、ちょっと!ひゃ、ひゃくとうばん?!)
私はカバンの中にしまったはずのケータイを探し、手をいれる。
(はっ、はやくしないと!!)
そうするも、焦れば失敗するのが私の性格なのか、ケータイをカバンから漏らしてしまう。
あっ、ちょ!
そうして、私のケータイは後ろの存在に拾われーーー
お・と・し・ま・し・た・よ♥
・・・・・・。
おや、反応が薄い。
あのー、これアナタのですよね?間違いありませんよね?
ね・・・・
ね?
ねこみみだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!
後に、コレは狐耳と私は知らされた。