今日はお母さんがいないから秘蔵のカップラーメンを食べよう!
3分か、待ち遠しい。
ピンポーン。
おや? 誰だろ?
ピポピポピンポーン。
急かすな! 全く!
どちら様?
よっ。
ガチャガチャ、カチン。
機械「音声を入力してください」
ありゃ?
はぁ、はぁ。
な、ななな何で蘭が!?
どうやって追い返そう!
ガチャガチャ。
ふふん、このドアの鍵は万全!
最後は私の声を認識するようにしてあるから開けられ…
ガチャガチャ、カチャン。
機械「音声を確認しました。 鍵を開けます」
ええっ!?
ご対面。
ど、どどどうやって鍵を!?
ふっふ、このハムスター「ドアドア開け太郎」にかかれば開けられない鍵はないのだよ!
音声入力は!?
さっきのどちら様という言葉をボイスレコーダーに録音していたのだ!
ぐっ!
さ~て、何故私を避けたかお姉さんに言ってごらん。
え、えっと。
返答次第でどうなるかわかるよね?
うう、
というのは冗談で、怒らないから言ってごらん。
あなたが嫌いだから。
ええ!?
いや意外そうな顔しないでよ。
私とお医者さんごっこした仲じゃないか! 君が患者役で!
そ、それは昔の…
てかそんなものやった覚えはないけど!?
あの頃の小萌莉は可愛かったな~。 将来の夢は私の嫁になることだったよね。
全く記憶にございません!
ふむ、いいツンデレ具合だ! やはり萌は大切だよね!
アメリカに行ってておかしくなった?
褒めるなって。
いや褒めてないけど。
あ! そうだ! お土産があったんだよ!
お土産?
ちょっと待ってて。
お土産か…
アメリカの有名なお菓子とかかな?
どーぞ!
どうも…
って!? これ何!?
何って決まってるじゃん。
君のフィギュアだよ!
な、なな何で私のフィギュア!?
可愛いだろそれ!
ちなみに水につけると裸になり、お湯につけると服が再生するという画期的なフィギュアさ!
こんなのいらんわ~!
バキ!
あー! 壊した!
壊して当然!
ありゃ、お気に召さなかった?
当たり前だ!
それなら…
照れバージョンでどうだ!
バージョンなんかあるの!?
ざっと100体くらい作ったから。
今すぐ捨てないさい!
いいのかな? 捨てたら他の人が拾うかもよ。
うっ。
そうだね、嫌だよね。 捨ててくるよ。
ご、ごめんなさい! 嬉しいです!
そうかそうか、喜んでもらえてお姉さん嬉しいよ。
はぁ~、で? 何しに来たの?
おお、そうだったそうだった。 すっかり忘れてた。
実は頼みたいことがあって。
珍しい。
簡単だからさ。 手伝ってくれない?
ま、まあいいけど。
内容はこの紙に名前を書くだけでいいからさ。
それだけでいいの?
うん。
それじゃ…
・・・。
あのさ…
何?
私の目がおかしくなければこの紙に婚姻届って書いてあるんだけど?
そうだよ。 それは婚姻届。
うがー!
ビリビリ!
あー! それ貰うのに苦労したのに!
危なかった!
うむ、やっぱりいいね♪ ツンデレは。
もういや。
ちょっとトイレ行って来る。
行ってら~。
さて、どうしたものか。
早いところ出てってもらおう。
あれ? いない?
蘭~?
ズルズル。
ああ!? 私の秘蔵のカップラーメン!?
返せ!
いや~、ついね。
あ~あ、もうほとんどないよ。
いや~、空港の食べ物美味しくなくってさ。
だからって人の家のもの食べないでよ!
ごめんごめん。
それより小萌莉はいつもこういうもの食べてるの?
え? う、うん。 お母さんがいない時は。
ほほう。
な、何?
あ~、これはちょっと駄目だよ。
な、何? 急に。
実はこのメガネは相手の今のスリーサイズがデータで見ることができるのだ!
え?
ええ!?
小萌莉、お腹周りがちょっと…
シャラ~ップ!
ムグムグ!
はぁ、はぁ。
ん?
あちゃ~、まずい。
どうしたの?
妹を待たせてるんだよ。
というわけで今日はもう帰るよ。
(二度と来るな!)
全く、相変わらずツンデレだな!
ええ!? 心を読まれた!?
じゃあね。
バタン。
はぁ~。
ん? 忘れ物?
こっちが本当のお土産だよ。
蘭。
中身は?
パカ。
・・・。
蘭のフィギュアでもいらないわ!