ここは、慧倫学校。
ここに通う生徒は不良やロクデナシだらけ。毎日喧嘩や騒動が絶えない。
今日も怪我人が保健室に運ばれてくる。
保健の千鳥山先生がてんやわんやだから、私もお手伝いするよ!
先生~、突き指した~。いたーい
たいへん、私が手当てしなくちゃっ!
あなた、お名前は?
え?・・・真島ですけど。
じゃぁ、いっぺん保健室の外でてくれる?
なんでですか、治療してくださいよ。
大丈夫、呼ぶから
・・・・・・。
ガラララ ピシャン
ごほん
真島、ヒロミチさーん。お入りくださーい。
ガララララ
失礼しまーす・・・。
どうぞ、お掛けください。
・・・・・・。
あの、僕の名前ヒロミチじゃないんですけど・・・。
今日は、どうされました?
えっと、友達と喧嘩してたら、突き指しちゃって・・・。
え、どうされました?
だから、突き指をですね・・・。
なに?
だから突き指を・・・。
赤ちゃん言葉で。
・・・ちゅきゆび。
か・わ・い・い❤
じゃぁ治療しちゃうね~。 すぐ済むから、じっとしててね~。
ヒロくん、ちゅきゆび痛かったでしゅね~、でももうだいじょうぶでちゅよ~。
ハイ、ばんそうこう貼りまちゅよ~?痛くないからでしゅね~?
はい、終わりました~。 ヒロくん最後まで大人しくしてて、イイ子でちたね~。
はい、ごほうびにキャラメル1個持っていっていいよっ
・・・・・・。
ありがとうございました。
・・・・・・。
こんな荒んだ学校にも、天使はいるんだなぁ・・・。
次のかたー、お入りくださーい。
あーっ、先生が帰って来ちゃったーっ!
ごめんなさい先生。先生の仕事ぶり見てたら、私もやりたくなっちゃって・・・。
・・・先生?
なにを言ってるんですか?保健の先生はあなたでしょ、種子島先生?
え?
先生、聞いて貰ってもよろしいですか?
お恥ずかしながら私、教職という崇高な職に就いているにも関わらず、
ある一生徒に対して劣情を催してしまい、仕事も手につかず、睡眠もろくに取れていないのです。
今も、動悸が激しく、発汗も凄くて、溶けてしまいそうなくらい身体が火照っているのです。
先生、これはいったい何の病なのでしょうか?
・・・・・・。
その病気は・・・。
私も、現在発病中です・・・。
お薬を、いただけますかな?
あの、抱きしめられたままでは、薬を持ってこれないんですけど・・・。
なら、このまま奪ってしまおう
せんせぇ・・・ッ。
・・・なにを見ている。教室帰れ